『平清盛』第八話「宋銭と内大臣」。
どうもその位置づけに納得のいかない「今日の見どころ」だけど今回はちょっと気合いが入る。先週の回が終わった直後から"祭り状態"になっていた悪左府様こと藤原摂関家・頼長さん遂にご登場!!まぁネットの世界ではその政治的活動よりも御本人の"性癖"にスポットライトが過剰に当たってしまっており、あまつさえ同局の『歴史ヒストリア』で先だって堂々とその性癖の描写をやらかしちゃったもんだからもう火に油というか何とかに刃物というかwww
当方、正直言ってそういう話は嫌いではありません。っつか好きです(今更w)昔『草燃える』にて源実朝暗殺の実行犯・公暁に絡むワンシーンでそういう描写がチョロっとありましたけど、その際は翌朝のガッコの教室の一部が騒然としていたのを思い出しましたwwwええ、その一部にワタクシ入ってましたけどwww「ええのか?あんなん流してええのんか?」と。しかしそればっかで盛り上がるのもナンだし~まぁそうあからさまにオモテにそういうシーンを出すのもどうかと思うし~というところで自分が「見どころ」で確認したのは「まがった~ことがだいきらい~、ふ~じわ~らよりながでっす!」という部分かなw そこを念頭に置いていざ本編。
まずは博多の商店街のような賑わいから。「こりゃーどっかで見た…あ、『龍馬伝』だ!」とTwitterで呟いたら速攻同意のリプがw博多じゃねぇよ長崎だろとwお座敷オフの恰好したお元さんの幻影が見えましたがw?美術さんが同じだからまぁ当然ですね。雑多なエネルギーは良く表現されてる。家貞さんに連れられてここにやってきた清盛くん一行、ここのお店では交易品を宋銭で取引していると知りビックリ。っつか清盛くんの方はお金でモノが取り引きされること自体初耳みたいな顔してるwww 『花の乱』の日野勝光呼んで来ーい!富子姫にそうしたように一から貨幣経済のイロハ教えたってw 案の定、ずっと世間ずれしてる兎丸に「んなことも知らんのかアホやな~」とバカにされ…しかし売り子の声が四方八方から飛んで来るこの場のエネルギーにすっかり惚れこんでしまった清盛くん。後の日宋貿易のフラグがまた一つ立ちましたな。
本編出だしでは珍しく家盛くんが登場。六波羅の竹やぶの中を馬で進む家盛くんの目前には一人の女性。おやおや、家盛くんも隅に置けませんよwさすが彼の人徳というか、爽やかカップルに見えまする。そこは暗示的にちょこっと見せておいて場面は博多に戻り、博多の平氏の館。この前でも実に賑やかに交易品のやり取りが行われている。そこに変なイントネーションの売り子の声。「イツモアリガトウゴザイマース♪」という声の主は桜金造氏演じる宋人の売り子。OPのキャストロールに金造さんの名をたまたま見つけて「何処に出て来るんだろう」と思ったらここかwしかしそのイントネーションは宋(中国)訛りというよりは欧米系の訛りだろwwwこの回の出番はこれだけなんだけど、このちょっと変わったイントネーションと、わざわざ金造さんに演じさせてるってことで、後々何かに関わって来るキャラなのかな。このドラマは例えばあのおそ松トリオみたいなチョイ役でもちゃんと後でフォローするので良い意味で気が抜けませんね。しかしTwitterでも賑わってたけど、藤原家成役の佐藤二朗さんとめっちゃ似てるwww二人並べたらロールシャッハテストにならんかwまさかの血縁設定でもあるのかw
で、当時交易は大宰府を通してのみ許可されていたのだけど、こうも簡単に豊富に交易品が送られて来るのを見て不思議に思う盛国や兎丸。ここで家貞さんが種明かし。忠盛パパが鳥羽院からの院宣(大宰府以外での交易を認める)を偽造していた!これには兎丸が「おまいら俺達よりずーっとあくどいやないかーい!」と呆れる。確かにwww まぁこれは後で分かることだけど、鳥羽院に莫大な寄付をして(院の為にお寺建てましたよね)院のハートをしっかりと掴んでいる忠盛パパが、この密貿易によって更に院に富をもたらしその見返りとして好き勝手出来るという裏事情。こうやって頭と力を使ってしぶとく生きて繁栄して何が悪い?という主人公サイドのスタンスは真によろしいかと。何かと言えば「平和の為」だの「虐げられた民の為」だのみたいなカビの生えたようなお題目が出て来ないのは実にかえって爽快であります。
続いて物語の舞台は鳥羽院御所へ。いよいよ藤原摂関家の切り札・頼長さんご登場!演じる山本耕史さん、麻呂眉に全く違和感なし!!いや、現代劇の役者さんでここまで綺麗にハマるってそうそう無いことだと思いますがね。切れ者の空気を存分に纏って予想以上の存在感です!コレはかなり期待!!鳥羽院が勧めた不老長寿の薬と言われる菊酒(菊の花弁を浮かべた杯)を、「こんなものは要らん」とばかりにその花弁を扇で払うのは現実主義的行動でしょうか。ただ今院のオキニであるおしゃれイズム義清さんの歌も酷評。これは頼長が歌に関してはあまり巧く無かったという話に基づいているのかな。ネットで拾った程度の知識ですけどw だったらちょっとヒネてて可愛いですけどw
今まで正直なところ、貴族方面は性格の悪さみたいな描写が一番前に出ていてステレオタイプな印象が否めなかったのですが、ここでかなり精神的に"硬派"の頼長が、それも藤原摂関家から出てきたということで、貴族方面も厚みが増して来るんじゃないかと期待出来ますね。そして効果的なプチエピ挿入。庭の灌木の一本にちょっとだけ飛び出した枝があったのを見つけて即「切っておけ。そして庭師は解雇」こえええええええ!えーっと細川ガラシャの旦那様かと。逐一こういうエピがハマるヤマコーさん。いいね~いいね~♪もうアッチ方面はどーでも良いんじゃないかwww
頼長が向かった先は実パパ・忠実と実兄で義理の父でもある忠通の元。ガイドブックでは頼長が生まれた年に忠実が失脚し(鳥羽院にネチネチ言われてましたね)、長男忠通に子が出来なかったので苦肉の策で実弟頼長を養子に迎えたということ。顔芸トリオ(それも血縁)勢ぞろい致しました~画面の圧迫感が半端ねぇwww期待の頼長が内大臣に任ぜられたのでパパ&兄ちゃんは藤原摂関家リボーンの期待に大喜び。しかし頼長くんは都と内裏の乱れ切った状態を内大臣として厳然と粛正する、と冷静に言い放つ。Twitter上は「"粛正"祭り」www かつての『新選組!』鬼の土方副長もヤマコーさんでした。"粛清"つったらトシさんだろ、ということですねwえっとでも今回は"粛正"で『組!』では"粛清"だったのかな?調べましたら前者は「不正を無くす」こと、後者は「不正者・反対者を厳しく取り締まる」こと。まぁそれぞれのドラマの通りでしたわ、うん。
今回はエロシーン(←ストレートに言うなw)無いのかなと思ったらささやかに。前回のお着替え突撃wが功を奏してめでたく再びご懐妊の得子さんが鳥羽院にしなだれかかってご満悦。かたや天然タマちゃんはいつになく鬱モード。今となっては一面に菊の花(得子さんの趣味ね)が咲き乱れる庭をぼんやり眺めながら、かつて伏せった自分に水仙の花を贈ってくれた優しい鳥羽院の思い出に浸る。ところが実は鳥羽院は鳥羽院で、得子を抱きながら水仙の花を懐かしく思い出しているという…これが後々、当の三人だけの問題に留まらなくなるのだから大変。
更に不穏な空気は内裏シーンにも。崇徳帝に謁見するおしゃれイズム義清が、先ほどの宴で鳥羽院を褒め称える歌を詠んだことでなんと崇徳院から叱責を受けている。「お前の歌はこの朕だけのものだ!」えええええええまさかの方向からそんな展開がwww母親の所為で鳥羽院から遠ざけられ、ただ天皇の座に座るだけの日々の中、義清の美しい歌だけが帝の心のよりどころになっていたのか。鳥羽院などに義清の歌を「汚されたく」ないというのもあったろうか。堀川局から聴いたタマちゃんと白河院の話を脳内で反芻しつつ当惑する義清。気が付くと目の前に帝がいる!
「朕を一人にするな…」…ええ、もうこの際だからハッキリ言いますけど、実に美しい「ラブ・シーン」でしたよ!放送前から騒いでた悪左府さんの件、どっかすっ飛びましたwww直前の鳥羽帝シーンと絡めて、この義清がどうして後に出家してしまうのか、このあたりのやるせない展開でよく分かる。「美しく生きること」を信条においていた義清が、この透明感あふれる井浦崇徳帝の背後にどれだけの泥沼を感じ取っているのか。巷でよく言われるBLだとか何だとか、もうそういうのを超えて良いシーンでした。帝がその座から簡単に動くということは実際は無いのだろうけど、欄干を挟んで寄り添う崇徳帝と義清の背後にぽっかりと空席になった座もその後を暗示しているかのよう。今回は場面がめまぐるしく変わるのだけど、きちんと状況の畳みかけになっていて、見ている側のボルテージを上昇させてくれるわけです。良い流れだと思いました。
場面は一転して都の市。博多で交易品(密輸品w)をしこたま仕入れてきた兎丸が、これまた他国からやってきたオウムを店の"看板娘(息子?)"にして荒稼ぎ中。それを見つけた清盛くんがビックリなんだけど、初めて見たオウムが首を上下に振るのに合わせて清盛くんまで首をブンブンしてるのが結構笑えたwこれ、多分アドリブだよねwそしてそこにまたまた現れるサダヲ高階!こいつも絶対GPS使ってるwその兎丸フリマwの中にものごっつ貴重な宋の書物(名前忘れた…)を見つけて大はしゃぎ。「素晴らしい宋のものをどんどん取り入れて、そこからこの国のものもより良いモノにしていこうぞ!」みたいなことをぶち上げるんだけど、これ確かに「宋を全面マンセー」ではあるのだが、サダヲさんが結構浮ついた感じで叫んでるんで、まぁ理想っぽく聞こえはしても所詮熱病っぽいなぁという印象なのが良いのかなと。絶対正義には聞こえない。「他国のモノを取り入れて日本で更にグレードアップ」みたいな話は現代に通じるんですけどね。しかし密輸品の話題をあんなに大声で…。
場面は久々に忠盛パパ館に。ここで序盤の家盛くんエピが回収されます。パパが家盛くんに良縁を持って来た。一瞬戸惑う家盛くんの背後で忠正叔父さんが「ここで良い婚儀を行って家盛を跡取りにすべきだ!」と主張が戻ってしまっている。先だっての海賊との戦いで一旦は理解し合えたように見えた清盛と忠正叔父さんだったが…また不穏な空気が平氏一門に。迷っていた家盛くんも決心を固める。あの娘はどうなるんだろう…。
一方(このあたりめまぐるしいです)一週空いて修行の旅に出た義朝くんご一行(ただし二人w)の近況が。なんかロン毛振り乱して狩りやってるぞヲイ!モンスターハンターにしか見えないんだけどさwwwそして獲物を焼いてむしゃむしゃとむさぼり喰う!うーんめっちゃワイルド!Twitterで「KFCじゃね?」ってのが流れててワロタw これは息子の帰りを待ちわびるコヒ為義さんのもとに届いた手紙の背景映像なんだけど、書かれてる事は真逆で、つまりお父ちゃんを心配させないように当たり障りの無いことがしたためられてる。相変わらず家臣は鎌田さんだけで、何故か猿を一匹飼ってたりして、ほんと侘びしい源氏の住まい。そこに何故かいきなりやって来る熱田神宮の由良姫!本当は義朝恋しやで来たのに「父から頼まれたんだからねっ!」と見事なツンデレwwwBGMはコミカルシーンのだし、なっちゃんのポジションがよう分かりまへん。とにかく、困った事があったら内親王に仕えている私に電話下さいドゾヨロシク、みたいな。そんだけ元気あったらモンハンの義朝パーティーに入ってあげなさいってw
またまた場面は一転、京の密輸品フリマでの売り上げは上々のようで、清盛の館ではお祝いの宴が。明子さんレシピの汁物はゴロゴロ野菜たっぷりビタミン豊富、肉も入ってたんぱく質も取れるという品。またこれが美味そうなんだ。皆しこたま喰って飲んでその夜、ぐっすり寝入っている兎丸達の向こうにほっと一息の宴ホスト夫婦。サダヲ高階の主張をすっかり真に受けてる清盛くんは理想郷・宋を想って目がきらきら。それに寄りそう明子さん。旦那が相変わらずの単細胞だけど、この夫婦シーンはちょっと一息つけたかな。何だかんだで夫婦らしく見えてますよお二人さん。兎丸の寝ながらくしゃみが邪魔するけどwww
しかししかし、そんなほのぼのシーンもつかの間、やっぱりバレた密輸フリマ。内大臣になった頼長に「面白いモノを見つけました」とフリマにあったオウム籠を差し出すのはなんとコヒ為義さん!なんかこういうちまちましたご機嫌取りがほんと似合うコヒさん(失礼っ!)。内大臣に取り入るつもりが思いもよらぬ展開に。籠のオウムくんが「ここで買うたことは内密にな!」を繰り返す。これ、フリマで兎丸がお客に必ず念を押していた決め言葉。これに名探偵コナン並みにピーンと来た頼長、さっそく清盛くんを呼び出して厳しい尋問に。流石知性派・理論派の内大臣、理路整然と証拠を上げてガンガン追い詰める。問題の偽造院宣も目の前に。ついに清盛くん、年貢の納め時かと思いきや…
「よくもまぁちまちまと調べてきたものだが、誰がどこで何を取引しようと勝手ではないか」開き直り方がフリーダム過ぎます清盛くんwwwwwいやこれ、この時点の立場で言えるかなとも思ったんだけど。むしろ圧倒的な権力を握ってから吐く言葉のようにも思えるんだが。でも清盛くん、言ってる事は無茶だが面構えはかなり良い。ここぞというところでのクソ度胸を表現出来る顔になってきた。そして宋銭を頼長に見せて理想郷・宋の素晴らしさを説く。ああ、やっちまったなぁと思ったら…
「たかだか商いの場を見ただけで余所の国を知った気になるとはなんと愚かな…」完全なる正論で清盛くんをバッサリ!思わず茶の間で拍手wほんとこのドラマ、主人公を簡単に調子づかせませんwそして「そなたの了見が知りたかっただけだ」とあっさり清盛くんを帰してしまいます。何一つ反論できずしょんぼりの清盛くん。「お前何も言い返さなかったんか」と問う兎丸に「言い返さなかったのではなく言い返せなかった。言えば自分の浅はかさを思い知らされそうだった。あの男にはまだまだ勝てない…」
うん、ホント全く破綻の無い(最初の開き直りはフリーダムだったけどw)筋の通った流れなんですけどね。良いと思うだけにちょっと残念なのは、あまりにも平易に語り過ぎてるかなぁというところ。清盛くんの反省は全くその通りなのだけど、これは個人的な趣味かも知れませんがストレートなだけじゃなくもう少し含んだような台詞が欲しいなぁと思ってしまうのですよ。このドラマはそういうところが随所にあって、ちょっと恥ずかしく感じるところもあるんです。筋は通ってるんだから、視聴者がふとした言葉に引っ掛かって、言葉を発したキャラの思いに歩み寄りたくなる様な台詞というのかな。特に直情型の清盛くんに顕著な傾向。これはより先の成長を遂げればおいおい変わって行くものかも知れませんけどね。
この様子をつぶさに見ていたサダヲ高階。「随分と回りくどいことを…」と内大臣に投げかける。要は偽院宣を鳥羽院に見せれば一発で動かぬ証拠になるのにそれをやらなかった内大臣。院が平氏とズブズブで偽院宣を突き付けたところでしらばっくれるに決まっている。そこまで朝廷が乱れ切っているのをご存じの上で敢えて清盛を試したのでしょうと。「了見が知りたかった」というのはつまり、たとえすぐに尻尾を掴めなくても、常に自分はお前達の障壁になってやるぞという内大臣の挑戦状的対面でもあったわけですね。いや、実にガッチリとした"敵"が登場してますます面白くなってくる。ヤマコーさん天晴れ。もう例の性癖の件は無理矢理入れなくても良いんでないかいw
失意のうちに自宅に戻った清盛くん。迎えた明子さんに「宋はちょっとまだ無理だけど、そのうち川船にでも乗せてあげよう」と約束するも、明子さんから思いもよらない報告が。「船はしばらく無理そうです…ややが出来ましたので…」遂に清盛ジュニア第一号誕生へ!これはもちろん後の平重盛、権力の座に就いた清盛に唯一、真正面から「NO」と言えた息子。明子ママと、この重盛の未来を思うとなかなか辛いモノがあります。まだキャストも発表されてないんだよなぁ…凄く気になる。
ラストはオープニングと同じく家盛くん。同じ六波羅の竹林に馬を進めるとあの彼女が遠くに見える。哀しい顔で後ろを向く家盛くん。その姿を不思議そうに目で追う彼女。この彼女に敢えて具体性を持たせなかったことで、家盛くんの心情と、これからまたまた巻き起こるだろう平氏内の軋轢の予感を漂わせる秀逸な演出。演じる大東さんの表情が良かった。強大な敵キャラも登場して、ますます嵐の予感の次回へ。
同時進行する幾つかの流れを組み合わせたり離したりと、見る側に良い意味での緊張感を要求して来る回だったと思います。朝廷・藤原摂関家・平氏・源氏、それぞれがそれぞれの難題を抱え、それらがこれから複雑に絡み合って大乱になだれ込んで行く、そのネタを丁寧に埋め込んでいった回とも言えるでしょう。主人公をかびたお題目のような理想論に走らせず、常に現実を叩きつけて軌道修正させているのも、これからの展開を考えれば当然の地固めになっていると思います。脚本家さんは大変な作業をされていると想像しますが、この回を見る限り、真正面から丁寧な「作り」をされていると感じました。これからがますます楽しみです!





























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