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新春狂言 万作・萬斎の世界。

2012012814310000 2012年1月28日(土)15:00~ 於:埼玉会館大ホール

◆解説 石田幸雄

◆『昆布売(こぶうり)』

 大名:野村万作 昆布売:高野和憲
 後見:中村修一

◆『仁王(におう)』

 博奕打:野村萬斎 何某:石田幸雄 男:野村万作
 参詣人:月崎晴夫・中村修一・村井一之・内藤連
 後見:高野和憲

6年ぶりの県庁所在地公演。地元市内を電車で移動、気分は普段着w 席は1階のかなり後方でしたがちょっとしたゲレンデ並みの傾斜が付いているので観るのにストレスはありません。高さは横浜能楽堂の正面2階ぐらいあったかも。2階席合わせて1300余りの座席が見事に埋まる光景は見事。市民としてちょっと嬉しいw

※解説

今日初めて狂言を観るという方は?(結構な数の挙手)多いですねぇ。これが半々ぐらいだと(解説が)やり難い。「また同じ話してやがるな」と言われそうで(会場笑)。

狂言は最初、とてもとっつきにくいと思う。人間で言えば「第一印象の悪い奴」(会場笑)。しかし、何度か観るのを重ねるうちに段々慣れて来て楽しくなるもの。もし今日、観終わって「あまり面白くなかったなぁ」と思ったら、是非また機会を設けて観て慣れていただきたい(会場笑)。

舞台は一辺5.4mの正方形。「三間四方」の空間。基本的に舞台上には何も無い。能楽堂の場合照明も明るいまま、お囃子以外の音響効果無し、演者はメーキャップもせず素のままで装束をつける。「無い無いづくし」なので、演者の言葉と動きだけで全てを表現する。舞台から与えられる情報量が少ないので、観ているお客さんには胸の中で状況を膨らませて想像して欲しい。ボーッと観ているとボーッと終わってしまう(会場笑)。お客さんも舞台に「参加する」気持ちで観て欲しい。

想像が必要なのだから、演者が「ここに垣根がある」と言ったら垣根があると思って欲しい。具体的な小道具などもあまり使わないので、例えばこの垣根を「切る」場面では、扇をを鋸切りに見立ててやる。(ここで『盆山』から垣根を鋸切りで切る場面を演じる)こういうのをやってると「あいつ馬鹿じゃねぇか」とか思われそう(会場大笑)。そんな大したことはやってないのだが。「ズカズカ、メリメリ」など、効果音は自分の声でやっている。

狂言はだいたい始まりが面白くない。それこそサスペンスの「ドアを開けたら死体があった」みたいな掴みはない(会場爆笑)。幕が上がって演者は橋掛かりを摺り足でゆっくりゆっくり入って来るが、この間も何も言わない。この辺りで初めて観た方は「今日はやっぱり観に来るんじゃなかった」と思うかも知れないけれど(会場大笑)そこはちょっとだけ我慢して欲しい。

幕からやって来た演者がこの舞台上に足を運んで初めて「名乗り」をする。「この辺りの者でござる」というのが多いが、これは特定の地域や特定の人を示しているのではない。今日の会場は浦和だから「浦和辺りの者」とざっくり考えてもらっても構わない。そして舞台上で具体的な場面転換は無いから、こう歩き回って(実演)また正面を向いて「何かと言ううちに○○じゃ」と言ったらその○○という場所に着いたのだと思って欲しい(会場大笑)。

狂言のストーリーは単純。歴史的な事を知らなくても充分楽しめる。現代にも通じる人間の面白さを表現しているので。まぁそれでも前もって少しでも知っておけばより楽しめると思うので今日の演目についていくつか。

『昆布売』には大名が出て来るが、いわゆる何万石とかいう大大名ではなく、普通の侍にちょっと貫禄が付いた程度。いつもはお供を連れているのに、今日は一人で歩いているので恰好がつかなくて恥ずかしい思いをしている。そこにたまたま通りかかった昆布売りに声を掛け、嫌がるのを刀で脅して、無理矢理太刀持ちのお供にしてしまう。道中、逆に刀を持った昆布売りが大名を脅し、昆布の売り歌を大名に謡わせる。最初は脅し脅される関係だが、やがてその売り歌が楽しげになり、二人が「和楽」の世界に入って行く和やかな空気を感じ取っていただきたい。

『仁王』は人間を仁王様に扮装させて、賽銭やお供物を騙し取る話。当時、世の中が乱れたり暗くなったりすると(「末法思想」と言っていたか?)「どこそこに神が、仏が現れた」とうような奇跡の噂が世間に流れるような風潮があった。それを逆手に取った博奕打ちと知人の男。皆、博奕打ちが化けた仁王を本物だと思っていろいろお供えをするのだが、最後の方に仁王に大きな草鞋を掛けようとやって来る者が出て来る。当時、無病息災・健康を願って仏様や神様に草鞋を供える習慣があった。博奕打ちが仁王に変装する時は、一旦楽屋に引っ込んで、というようなことはしない。舞台の上でお客さんに背中を向けて着替えが行われるので、ちょっと変な感じがするかも知れないが少し辛抱して待っていて欲しい。

(解説の最後に、萬斎師トークよろしく"repeat after me"コーナーが。『昆布売』の売り歌で『にほんごであそぼ』でも一時流れていた「♪昆布召せ昆布召せ~、お昆布召せ~~~♪」を会場全員で。「普段あまり大きな声を出すことも無いでしょうし、下手に出すと近所迷惑だと言われかねませんがw 狂言では大きな声を出さなくてはいけないので、ここは遠慮なくストレス解消のつもりでお願いします」と石田師。最初は結構合っていたのですが、ちょっと節回しが変わって来ると一気にバラバラにwww 皆さん失敗に笑いながらも大きな声で歌ってました。)

※『昆布売』

ベテラン・若手取り混ぜて何回か観ている記憶。前半のやや無茶ぶりwな展開と、後半の実に狂言らしいのんびりとした可笑しさのコントラストが、思ったより難しいように最近は感じています。ここはまたまた(前日の新宿文化『鬼瓦』もそうでした)国の宝・万作師の独壇場でした。特に後半の、逆に脅されて昆布の売り歌を謡わされる何とも言えない頼りなさが良い。相手が悪過ぎるけど、その大名と相対する高野昆布売りがちょっと霞み加減で、下剋上的展開の痛快さは薄かったかもです。後半、昆布売りが大名を良いようにコントロールしている感じがもうちょっと欲しかったかな。

※『仁王』

コチラも意外にちょこちょこ観てるかも。ホール向けの分かりやすい面白さ満載で客席は終始笑いの渦でした。萬斎仁王は以前どこかの公演で、片手を挙げたままのポーズが限界になって少しずつ手が下がって来る場面に出くわしたこともありましたがw今回はポーズも「阿吽」の表情もバッチリ決まってますます会場の笑いを誘っていました。あんなに遠くの席だったのにそれでも分かるくらいの「爆発顔」でしたwww

参詣人には前日と同じように若手登場、それぞれの役割(お祈りの仕方)をピシッと決めてました。お供物の錦の袋を偽仁王の手首では無く指(小指という情報がw)に引っ掛けたのには爆笑wいやソレは仁王がキツいでしょうwww果たして仁王役のアイディアか、若手の茶目っ気か。演目違いかもですが、京都の茂山家では願掛けの中身にアドリブを入れて、例えば「今年こそ阪神タイガースが優勝しますように」みたいな台詞を入れたりしますが、今回はお客さんのノリが凄く良かったので一瞬「何か願掛けで茂山さんちみたいにやらかしてくれないかなぁ」と思ってしまった(苦笑)。まぁ確かにそれは野村さんちの流儀では無いですけどね…。

草履を掛けに来る足の悪い男は万作師。これ、今は亡き万之介さんが凄く似合う役柄でしたよね。万之介さんのはどうも最初から「この仁王はアヤシイ」と見抜いてそうな感じで、仁王の身体を撫でるのもまるで分かって意地悪しているように見えたのが思い出されます。万作師の男は素直に仁王と信じ切ってやって来た感じ。「この足をどうにか直して欲しい」という切実さも感じました。仁王を撫でまわして「御利益」の付いた自分の手を、今度は自分の身体に摺りつける腰振りアクションが可笑しくて可笑しくてwww一瞬、阿呆面満開の仁王を喰ったぐらいw そう言えば萬斎博奕打・石田知人の男・万作足の悪い参詣人とゴールデントリオだったんだなぁ。何気に豪華でした。

客席は爆笑に次ぐ爆笑。露見した博奕打ちが足の悪い男に追い込まれていくラストは場内割れんばかりの拍手喝采、後見も引っ込んだ後に終演のアナウンスが流れてまたまた大きな拍手。席から立ち上がったお客さんの口ぐちから「ひゃー笑った笑った」と感想が。満員の場内にそんな感想が飛び交っているのがまるで自分の事のように嬉しくなって不思議な気分。ほっこりとした気持ちになって埼玉会館を後にしました。

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新春名作狂言の会。

2012年1月27日(金)19:00~ 於:新宿文化センター大ホール

◆トーク 野村萬斎・茂山逸平

◆『千鳥(ちどり)』

 太郎冠者:茂山千五郎 主人:茂山逸平 酒屋:茂山正邦
 後見:山下守之

◆『鬼瓦(おにがわら)』

 大名:野村万作 太郎冠者:深田博治
 後見:中村修一

◆『弓矢太郎(ゆみやたろう)』

 太郎:野村萬斎 当屋:石田幸雄 太郎冠者:月崎晴夫
 立衆:高野和憲・中村修一・村井一之・内藤連・岡聡史
 後見:竹山悠樹・深田博治

※トーク

今年も京都のお家をお招きしての"東西漫才"の季節がやって参りましたw まず登場したのは、通常ほぼレギュラーの茂山千三郎師にかわって逸平師。まだ「いっぺちゃん」と呼びたくなる相変わらずのほんわか可愛いご尊顔。生いっぺちゃん観るのはかなり久々かも。そう言えば年始にビートたけし司会の日本史バラエティ番組に出演されてましたね。「あけましておめでとうございます」とご挨拶し「もうかなり過ぎてますけど~」と自己ツッコミしつつ「今日は西と東の狂言の違いをご覧いただければと。狂言の違いつまり人間性の違いですね(会場笑)。簡単に言うと西は"パッパラパー"で東は"ちゃらんぽらん"です(会場爆笑)。ほら、(トーク始まってるのに)萬斎さんここに居ないしw」とのっけから飛ばすいっぺちゃんw

まず本日茂山家担当の『千鳥』について。いっぺちゃん曰く「一番とんでもない狂言」とのことw「最近"つけ"の習慣をあまり見かけなくなりましたよね。でも京都の祇園あたりでは今でもあって、後になってこわーい請求書が来たりします(会場笑)。」この『千鳥』では主人が太郎冠者に金を持たせず酒を買って来いと命令します。「狂言はツッコミどころが多いですw でも本気になってツッコまんで下さいね。『つけ溜まっとんのに!払うもん払えやー!』とか無しですから。」ツッコミ入れずに、太郎冠者がお金無しでどうやって酒屋からお酒をせしめるかに注目して欲しいとのこと。また、この話に出てくる"津島祭"には本来、山鉾を引く習慣が無いそうで(曲の中で太郎冠者が山鉾を引くアクションをします)「狂言にはこういう嘘も多いのでお気を付け下さい(会場笑)」。

ここでいよいよ東の萬斎師登場。いっぺちゃんが「では、HONDAでお馴染の萬斎さんです!(会場爆笑)」と紹介すると、舞台上手より萬斎師がツツツっと。「はい、HONDAのFitでございます」といっぺちゃんのパスを受けるwいや、それじゃSTEP WGNやN BOXの立場はどうなるんだw以下、メモの取れた範囲で二人のやり取りを…。

【萬斎師(以下"萬")】今日の茂山さんは『千鳥』だが何かと良くかかる曲。自分は2月にやる予定(←どこでやるか一瞬思い出せない様子w)…。

【いっぺちゃん(以下"逸")】(客席に向かって)皆さん是非検索して下さい(会場笑)。「野村萬斎 狂言公演 千鳥」とか入れてクリックすれば出て来ますw自分の方はこの後また3回、新作と通常のと。もうええ加減若くも無い「HANAGATA」でw

【萬】大藏流の『千鳥』はどのくらいの長さで?

【逸】25分くらい?

【萬】ウチは35分くらい。そこそこ大物で手強い。酒屋が太郎冠者に対してずっと意地が悪い。謡いながら動く場面が多いのでしんどい。

【逸】ウチではもっと気軽な感じw でも体力的には同じようにキツい。津島祭の山鉾引きを真似る場面があるが(【萬】そこは和泉流にはない)、本来はその祭に山鉾が無いのだけれど、お祭りだからと派手にする為に勝手にくっつけてしまったのかwww

【逸】先日気づいたのだが、自分の子供が『にほんごであそぼ』を見ている所為か、「ちりち~りやち~りちり」を謡わせると和泉流の節回しになってしまっていて驚いた。

【萬】それは由々しき問題だwww

【萬】『千鳥』は太郎冠者が酒屋のつけを踏み倒す話だが、大藏流は酒屋と太郎冠者が何となく仲良しっぽく見えるのが面白い。ウチの方の酒屋は"太郎冠者の前に立ちはだかる障壁"みたいなもので本当に意地が悪いから。

【逸】ウチの太郎冠者は勢いだけで行ってしまっているところもあるからw

ここで、『千鳥』にその一節が出て来る「宇治の晒」の小舞を二人の連れ舞で披露。歌詞は同じですが、メロディーラインの一部と動きに明らかな違いが。不思議と3度ぐらいでハモって聞こえるところもw 区切りのところで互いに相手をちょっと待っていたりして、上手くまとめてました。数年前に同じ公演で千三郎師と連れ舞をするのを観た時も、視線が二人の間を行ったり来たりで贅沢な苦しみ(苦笑)。舞い終わった後いっぺちゃんが「最後だけ合いましたよね?!ビックリしたーwww」と目を丸くしてましたw

連れ舞が終わりいっぺちゃんはこの後の『千鳥』主人役で出演するので、着替えの為に退場。残った萬斎師が、野村家側の演目『鬼瓦』『弓矢太郎』についての解説を。『鬼瓦』の方はサラっと、和泉流専有の『弓矢太郎』の方に少し重点を置いて。以下、『弓矢太郎』解説概要。

『弓矢太郎』は非常に演劇的な曲。天神講は菅原道真の命日に催される祭で、沢山の人達が集まる。その中で太郎は弓矢を携えて、今で言うところの自警団のようないでたち。武装しているということは裏を返せば弱い人?そこを周囲の者が見抜いて本当は臆病な彼を皆で脅かす話。

太郎を脅かす為に皆で怪談話をするのだが、祭の当屋が語るのが"玉藻の前の故事。玉藻の前とは齢を経た狐の妖怪で、美女に化けて時の鳥羽上皇に取り入り、それを陰陽師安倍泰成に見破られる。陰陽師といっても"晴明"では無く"泰成"(会場笑)。正体を見破られた狐は今の那須高原あたりに飛んで行って(ここで萬斎師、那須高原が栃木県か群馬県か激しく混乱w地理が危ないwww)、そこで近寄るものを皆殺してしまう殺生石に変身した。狐の執心がそこまでの怖ろしい所業を生んだと言うことだが、要は那須温泉から噴出する亜硫酸ガスの仕業なわけで(会場笑)。

狂言にしては珍しく2部構成になっていて、2部では肝試しシーン。人間同士の駆け引きと、最後のどんでん返しをお楽しみに。

※『千鳥』

茂山さんちバージョンは初見。場面場面のちょっとした言い回しが違うのには随分慣れたのでゆったりと楽しめました。もしかしたら千五郎師のキャラなのかも知れませんが、確かにトークでいっぺちゃんが言っていたように、あまり細かいところは気にせずイケイケドンドンでお金を踏み倒そうとしてる太郎冠者だったようなw正邦師の酒屋は見た目(正邦師のルックスの所為w?)几帳面そうなのだけど、太郎冠者に対してはどこか脇の甘そうなところを残していて、こりゃあ酒を取られてもしょうがないかなと思えてしまう。和泉流(というか萬斎師)のどこか知能犯的?な太郎冠者と対決意識満々の酒屋という構図とは随分趣が違いました。トークで萬斎師が「太郎冠者と酒屋が仲良しに見える」と言ったのも納得w それにしてもセンゴロさんが面白い!

※『鬼瓦』

多分2回目ぐらい?要は因幡堂の屋根に鎮座まします鬼瓦が愛妻の顔にソックリで、それを見ては妻を思い出し泣けてくる、という、女性にとっては超失礼且つ「そこから夫婦愛に行くんかいっ!」とツッコミたくなる小曲ですよね?とまとめてしまうところなのですが、今回はもう"国の宝"万作師のけしからん可愛い大名にハートを打ち抜かれてしまいました♪これ、こんなに笑えたっけ?妻の顔の造作を可笑しく思うだけならココまでは感じない。やはり万作大名がその憎めない可愛さで、妻のルックスに関する悪口雑言(多分大名本人は悪口と思ってないw)を愛情表現に転換してるように思えてなりませんでした。いや、言ってる事の非道さ自体は変わらないんですけどw それをあんな風に言われて泣かれちゃ勝てないわー、みたいな。解説で萬斎師が「若い者がやるより年かさがやる方が良い」みたいな話をしていましたが確かに。

※『弓矢太郎』

これも2度目あるいは3度目くらいでしょうか。稀曲を萬斎師が掘り起こして生き返らせただけあって、大体において萬斎師が責任を持ってwシテを演じるお陰?でそれしか観たことが無いw 森崎企画のホール公演で多用される例の霞み模様の背景幕が今回も登場で、正直「またですか~」と思いましたが(失礼っ!)、それはそこそこで引っ込んでw 大半は照明の効果で演出がなされていたのが良かったです。前半の見せ場、当屋の「玉藻の前」語りでは、語りが佳境に入るにつれて照明がゆっくりと暗くなり、舞台中央の当屋がボワーンと浮き上がって見えるような感じになり、その怪談話にビビりながら反発する太郎には舞台上手から横向きにピンスポット?を当てて注目させる。照明の色合いや使い方がちょっとSePTっぽい感じだと思いました。

萬斎太郎のビビリっぷりの面白さは言うまでも無いですが、石田当屋の怪談語りも絶品!あくまで脇役なのでそうフルパワーで語るわけではないのに、じわじわと恐さが伝わって来るんですよ。語りの形式はは能楽のソレだけど、テイストは講談に近いかな。聴きながら一龍斎貞水さん思い出してましたw もうちょっと長く聴きたいなぁとさえ。一度、能楽形式で怪談話やってみませんか石田さん?

後半の面白さは鉄板。今更ながらラストのどんでん返しの巧妙さに感心。普通ならビビリの太郎をますますビビらせて終わるところに、まさか太郎も鬼の格好をして来るとは予測出来なかった当屋が逆に驚かされてしまう。この曲のこういうところに"発掘者"萬斎師が惹かれたのかなぁと想像します。前半、やられっぱなしの太郎に勝利の女神がほほ笑むところで面白さの二乗。全く同じ格好をした太郎と当屋の文字通りの「鉢合わせ」がヴィジュアル的にも楽しい。エフェクトを掛けない能楽堂版と違い、いろいろ演出の出来る劇場版で演じられても、シナリオの面白さがエフェクトに負けないのが良いです。珍しくホール公演に分があると思わせる一曲。

立衆の若手が観る度に堂々としてくるのも嬉しい限りでした。皆声が良いですよねぇ。そのうち単独の配役で…というのはちと気が早いでしょうかw

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劇団AUN 第19回公演『十二夜』。

2012年1月19日(木) 14:00~ 於:赤坂RED/THEATER

作:W. シェイクスピア
翻訳:小田島雄志
演出:吉田鋼太郎

Aキャスト
※参考までにBキャストも列記しておきます)

ヴァイオラ(男装名シザーリオ):安寿ミラ
マルヴォーリオ:吉田鋼太郎 
サー・トービー・ベルチ:横田栄司
アントーニオ:大塚明夫
オーシーノー:長谷川祐之(B:杉本政志)
セバスチャン:沢海陽子(B:中井出健)
サー・アンドルー・エーギュチーク:長谷川志(B:谷田歩)
フェステ:岩倉弘樹(B:松本こうせい)
 ※(1月24日気付)この19日はBキャスの松本さんが御出演でした。
オリヴィア:林蘭(B:根岸つかさ)
マライア:坂田周子(B:千賀由紀子)
フェービアン:北島善紀
神父:星和利
船長:谷畑聡
紳士:飛田修司
紳士:福岡幹之

前回の『ヴェニスの商人』で味をしめてw再び劇団AUNのシェイクスピア舞台に参戦。今回はコメディタッチの『十二夜』、原文・翻訳とも未読ですが、森川久美先生のコミックスは何度も繰り返して読んでました。それからも暫く離れていたので、ストーリーを覚えているか不安…ここで小田島先生の本を買って読めばいいものの放置(爆)。せめて再度森川漫画版でも…と思いつつこちらも横着して手が出ず、結局当日にぶっつけ本番という体たらく(ーー;)

初めての赤坂RED/THEATER。地下にある劇場でキャパは170ぐらいでしょうか。当日はC列でしたが前から2列目、可動式のA列を潰して舞台を前に出した模様。前回の『ヴェニスの商人』では千秋楽で最前列、今回も2列目センターブロックと、ホント申し訳ないぐらいの良席。Twitterにて劇団オフィシャルや劇団員の方が「当日券もございます!」と毎日熱く宣伝されていましたが、蓋を開けてみれば平日の昼公演にも関わらず補助席も目一杯の満員御礼。オバサマ率(←オマエモナー)の高さはやはり時間帯と元宝塚女優さんの威光もあるかな?それでも老若男女様々な客層。入口にこの日は出演の無い谷田さんと中井出さんが立たれてお客さん一人一人に挨拶をされていて、思わずド緊張でお辞儀を返すのが精一杯(^_^;)「前回の『ヴェニス』面白かったです!今日も楽しみです!」ぐらいは言いたかったのにホントにチキンで哀しい…バッサーニオとアントーニオだったのに。

舞台上には舞台上手の高い位置に満月のプレート、セットにザックリと掛けられたブルーの大きな布、灰色の枯れ木、そして舞台下手側に何とも寂れた見てくれの「厠(かわや)」小屋www小屋の上部にはご丁寧に「厠」の表札が掛かってるw何故こんなところにクラシックwな趣のトイレが?結論から言うと、実は最後までこの厠の意味(用途は明白ですが)が良く分からなかったのですが(^_^;)。

ギターのアルベジオが印象的なフランス語?のバラードをバックに(これがテーマ曲のようですね)のっけからバリッバリの宝塚テイストで思わず噴き出しそうに^m^ 従者達が華麗に群舞するその中心に居るオーシーノー侯の思いっきりクサい(←褒めてます)台詞回し、良く見ればオーシーノーも従者達も白目のドーラン&真っ青なアイシャドウ、ダメージジーンズがアクセントになっているものの基本的に王道の貴族衣裳。聴くところに寄るとメイクその他はミラさんが指導されたということで納得www演出の鋼太郎さんが最近ヅカにハマっているとの話もあって、結構思い切ったなぁと。では全編そのテイスト押しかと思えばそこまででもなく、ここは掴みというところか。

"問題"の「厠」は基本、登場人物が初めて登場する際に「開き」ます。他にも場面転換で登場人物が替わる際にも使われていて、さしずめ「とこでもドア」といったところ。黒服の2人のドアボーイ(お名前分かりませんごめんなさい!)が恭しくドアを観音開きに開けると、中にはご丁寧に一段高い位置にこれまた懐かしい形状の和式便座!"経験"のある人なら見ただけで「臭って来る」光景w登場人物に寄って奥の背景が変わります…と言っても「海原」と「普通の便所の壁」だけですがw「海原」は海から生還したヴァイオラとセバスチャンの登場で使われていて、まぁその二人の熾烈な運命を象徴しているわけですが、いかんせん笑えちゃうのはそのシリアスなシーンにも関わらず和式便座はそのまま置かれていることwどうしても便座に目が行ってしまうwww唯一便座そのものが"機能"したのはサー・トービーの登場シーン。四六時中ベロンベロンに酔っ払っているトービーが便座を覗き込むようにして「おえぇぇぇぇぇ」…まさか"中の人"の日常もこうなのかと一瞬錯覚(爆)。また、後半でいたずらの罠にまんまと引っ掛かったマルヴォーリオが縛られて監禁されているのもこの厠で、それはそれは情けないお姿でありました…。

ヴァイオラを演じるミラさん、さすが元男役トップなだけあって、キビキビとした動きと利発な言い回しが小気味良い。一方、見た目は少年でも本当の中身は女の子であるという設定の繊細な部分も自然に見えていました。その双子の兄セバスチャンを演じる沢海さんの背恰好が実に似通っていて、無理なく「双子の取り違え」ドタバタの原因になれていたと思います。このセバスチャン、Bキャストでは男性(中井出さん)が白塗りwで熱演されているそうで(残念ながらBは観られず)、そちらは想像するにどう見ても双子には見えなさそうですが、AとBで明らかに違う見せ方をすることで主張されるものは違うはず。Aは同一性、Bは相違性。やはりA/B両方観るべきでしたかねぇ。そして余談ながら…この取り違えのドタバタを観ながらどうしても思い出される『間違いの喜劇』もとい『まちがいの狂言』…w

そのヴァイオラを女と知らず恋に落ちるオリヴィア。ちょっと引きそうなくらいの(失礼っ!)ハイテンション演技でしたねぇ林さん。黒のヴェールを被って兄の喪に服し、オーシーノー侯からの求愛も頑なに拒み続けているという背景はすっかりどこかに飛んでいるような(*_*; ちょっとものまねの中島マリさんテイストを感じたのですがwまぁ主の伝言を持って来た一介の小姓に何もかも振り捨てるかのように一目惚れしてしまう"勢い"はこのくらい必要なのかも知れません。個人的には少々「?」な感触だったのですが(^_^;)

全編を通してのお笑いパートはサー・トービー、サー・アンドルー、フェステの3名(+マライア、フェービアン)によってそれはそれは腹筋崩壊モノに仕上がっていました。特に前回の『ヴェニスの商人』ランスロット・ゴボー役で初めて拝見して以来、myお気に入りになった長谷川(志)さんのサー・アンドルーが予想を裏切らず絶品!!お顔の輪郭と濃い目のメイクの所為でココリコ田中に見えてしょうがなかったというのはココだけの話wちょっと、と言うよりかなり「足らない」お陰で仲間のはずのトービーに良いように操られての"大活躍"。セバスチャンとの決闘では相手の頭を便所スリッパ(例の緑のビニール製w)でおっかなびっくり引っ叩いたり(沢海さん耐えに耐えてましたw)、ザックリ頭を斬られて(「どぶわっ!」というSE入りw)何故か生きてたり、といった具合に、アンドルーの場面はお遊びたっぷり。そのお遊びを最大限に面白くさせる長谷川さんのおバカっぷりが圧巻!前作で感じた魅力に間違いは無かった♪

サー・トービー横田さんはさすがの貫禄。前述の「おえぇぇぇぇぇ」をはじめとして酔っ払いっぷりがあまりに様になってるので本当に酔ってるのかとwげっぷのついでに吐き出した「おつまみサラミ」とか、シザーリオの剣さばきを見て「さすが阪急電鉄お抱えの…」とヅカに引っ掛けたチャチャとかのオリジナルのネタも冴えてました。それと同時に、凄く笑えるのだけどどこか毒を含んだトービーであったのも印象的。彼のいたずらを煽る姿は見方によってはちょっと度を越してないか?と感じるところもあって、その影の部分がチラチラと見え隠れしていた場面もあったかと思います。まぁ偽手紙の計画を練りまくったマライアも良い勝負なんですけどねw

松本さんのフェステは最初道化だと気づかなくてwwwどっかの世捨て人か風来坊かと思ってました(←まぁ道化と共通項はありますがw)。スキンヘッドにサングラス、インド風の長い上着がヒッピーのようでもあり。お笑いパートの中で活躍しますが、どこか褪めた視点を持って大騒ぎから距離を置いているような佇まいがあったのが印象的。現代で言えば辛口のコメディアンというところか。そういう視点を持つのも道化であるとも言えますが。

そして吉田マルヴォーリオ!こんなにコミカルな鋼太郎さんを見たのは初めてでしたwwwマライアの偽手紙を主人オリヴィアからの恋文と思い込み、騙されているとは露知らず飛び回って全身で喜びを表現w全く形になっていないムーンウォークは席のお陰で足もとが良く見えたw初登場シーンでいきなり声が掠れてたので鋼太郎さんにしては珍しいなぁと思ってたら、この大喜びシーンが叫びっぱなしだったからなんですねぇ。幸福の絶頂でトービー達に騎馬戦よろしく担ぎ上げられたところでは声も体力も限界www疲れた表情を隠さないからますますおかしい。担いでるメンバーもヨレヨレの汗だく。オジサマ達(失礼っ!)がヘロヘロになりながら笑いを取っているという凄い場面www観ている方も笑い過ぎてヨレヨレ…。

しかし、前述したようにこのいたずら、いささかやり過ぎだなぁとも思ったのです。というのは、鋼太郎さんのマルヴォーリオが案外実直に見えたからかも。確かにマライアやフェステには横柄な態度をとるし自尊心の塊のような人物ではあります。が、主人のオリヴィアにとっては信頼のおける執事であるわけで、まぁ原作を全部覚えているわけでは無いのであやふやなのだけど、マライア達にとって「鼻もちならない」というだけなのではないかと。まるで憂さ晴らしの生贄のような哀れなマルヴォーリオなのですが、たまたまトービーかフェステの台詞の中に「熊いじめ」という言葉が出て来て「ああマルヴォーリオのやられ方ってこれに近い感じかなぁ」と思いました。娯楽として「熊=マルヴォーリオ」を引きずりまわして遊ぶ、そんなイメージ。トービーの横顔に時折ふと邪悪さを感じるのも、フェステが何となく一歩引いてシレっとしているように見えるのも、そんなことを考えながら観ていた所為かも知れません。

大団円直前に監禁されたマルヴォーリオがボロボロになって現れて事の顛末をオリヴィアに訴え、既に偽手紙の謎解きを受けていたオリヴィアから「いささかやり過ぎだったけど水に流してあげなさい」と言われてやむなく退くのですが、ここは古典的コメディよろしく「おっおっおっ覚えてろー!」と捨て台詞残して、ついでに走り去る途中でビートたけしみたいにすっ転んだりしてw最後まで笑いを取るのかと思っていたら、それこそ前回のシャイロックの如く重苦しく、怨念を溜めこんだようにゆっくりと退場していったのにはちょっと驚きました。そこはさすがの鋼太郎さんですから空気が一変、客席も静まり返ります。いたずらはちょいやり過ぎかなと思っていた自分は少々同情的な気分になりましたが、人によっては「丸っきりの被害者ヅラなのがますますムカツク野郎だ」と観たかも知れません。まぁなんとも不思議な気持ちになるマルヴォーリオ退場シーンでした。

エンディング、ちょっと斜に構えたフェステの、哀愁漂う旋律の歌。原曲の"The Wind And The Rain"がどういう旋律だったかすっかり失念してしまったのですが(^_^;)こんな切々たる曲では無かったような気が。松本さん、半分泣くように歌っていたような。運命の兄妹はそれぞれの幸せを掴み、めでたしめでたしの一同を見送ってのこの歌は、単に"祭りの終わり"を惜しむレベルではないかなぁ。開演前と終幕後に子供達の遊ぶ声がSEとして流れていましたが、子供のように無邪気に遊んだ一時(いっとき)はもう戻って来ない、その惜別の想いが籠った歌のようにも思える。涙が出るほど、腹筋がよじれるほど笑わせてもらいましたが、マルヴォーリオの籠った怒りとフェステのシニカルな視線が妙に心に残る舞台でもありました。

…と、ずらずら取りとめも無く書き殴りましたが大した考察も無く(泣笑)。他に面白いなぁと思ったのは、シザーリオを寵愛するオーシーノー侯と、セバスチャンを命がけで守るアントーニオ(復帰の大塚さん、めちゃめちゃ正統派のカッコよさ!)にちょっぴり同性愛的テイストを感じたこと(特にオーシーノーは途中からオリヴィアが好きなのかシザーリオが好きなのかよう分からん状態にw)、原版でも"謎の存在"扱いらしいフェービアンがやっぱり謎で(爆)ヘルメットや迷彩服をつけライフルを持たせたのは、その謎に何らかのもっともな理屈をつけるよりも、もう違和感そのままで存在しちゃって良いじゃないかぐらいの演出だったのかなと思ったこと、などなど。さて次の作品は何を取り上げるのでしょうか。楽しみに待ってます♪

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第57回 野村狂言座。

2012年1月13日(金)18:45~ 於:宝生能楽堂

◆素囃子『神舞』

 大鼓:佃良太郎 小鼓:住駒充彦 太鼓:金春國直 笛:藤田貴寛

◆『夷大黒(えびすだいこく)』

 大黒:深田博治 夷:竹山悠樹 長者:月崎晴夫

◆『空腕(そらうで)』

 太郎冠者:高野和憲 主:石田幸雄

◆『若菜(わかな)』

 海阿弥:野村万作 果報者:野村萬斎
 大原女:竹山悠樹・中村修一・村井一之・内藤連・岡聡史

新春らしく、玄関には門松、ロビーには樽酒と鏡餅。今まであまり気にしなかったのですが、樽には「寶生」の銘が入ってるんですね。お客さんの入りは、正面最後方付近と脇正面後方2~3列分に空席が目立ちました。自分の席の斜め前にいつものw河合祥一郎先生。外人の方を伴っていらっしゃいました。あとで気が付いたのですが、先に郵送されたチラシと現地で渡されたパンフとを比べて『若菜』の配役に変更が。大原女sから高野師と深田師が外れて村井師がin。ニューフェイスで固めましたね。

※『神舞』

今年のオープニングは神舞の小気味よいパーカッションで。座った位置の関係でしょうか、強めのエコーがかかったように聞こえてきました。自分はこういう音質が好きな方なので鼓膜の保養でしたw

※『夷大黒』

初見。長者が夷様と大黒様をお迎えし、果たしてあらわれた2人の神様が由来を語り長者に福を与える様を見せて、見所の観客にも福のおすそわけ、という実にお正月らしいめでたい演目。ということで笑いの要素はこれと言って無く、夷様と大黒様の有難いお姿を会場一同で拝んで一年の無病息災を願う、という観客のスタンスで良いのかな、とw

神様達を迎える為の準備として、脇正面側の目付柱とシテ柱の間に細い注連縄を掛けるのですが、月崎長者と後見の岡くんが作業をしている間に、ちょっとした力の掛け違いか、なんと注連縄がぷっつり切れてしまうアクシデント。切れた瞬間は見えなかったのですが、確かに「ぶちっ」とそこそこ大きな音が聞こえたような。2人の作業がなかなか終わらないのでおかしいなとは思ってました(^_^;)結局、寸足らずになった注連縄をシテ柱に巻くのを諦めて、シテ柱すぐ横の橋掛かりの欄干に結んで事なきを得ました。"現場"を真正面でご覧になっていらっしゃっただろう脇正面のお客さん達はハラハラされたんじゃないかと。

長者のもてなしに誘われて深田大黒と竹山夷登場。大黒様は袋と小槌、夷様は釣り竿と実に分かりやすい小道具。どちらかと言えば上背がある深田師が、身体を屈めたままひょこひょことユーモラスに歩を進めて来る姿がまるで媼のようで、そのちんまりと可愛い?姿に一瞬石田師が演っているのかと錯覚w最後は招いたくれた長者に、夷様は釣り針を、大黒様は宝の袋と小槌を気前よくあげてしまいます。元々裕福な上にこんな有難いものまで頂いて、めでたさ一人占めの長者で羨ましい限りですが、ここは前述したように長者の福をおすそわけしていただく気持ちでいれば…。

※『空腕』

昨年の"My締め観劇"@セルリアン能楽堂で大いに笑わせていただいた曲に一ヶ月足らずで再会。今回は、前回にSッ気漂わせるw主人役だった高野師がシテ太郎冠者。全方向にご自身の魅力を噴出しまくったw萬斎太郎冠者@セルリアンとは対照的に、威張る場面もビビる場面も実に律儀に演じられた太郎冠者だと感じました。

多分、こちらの方が正当な見せ方だとは思いますが、なにせ前回の太郎冠者がアレだっただけにwww比較して前半の一人芝居のところはやや平板な印象に。しかし後半、太郎冠者の本当のビビりっぷりを知っていてしらばっくれている主とのやり取りからはメリメリハリきっちり。脇を支える石田主が今回も盤石の受けと返しで太郎冠者を盛りたてます。やはりこの『空腕』は面白い!1曲目『夷大黒』でほっこりと寿ぎの空気を味わった後に直球の大笑いネタで、めでたく今年の能楽堂初笑いをおさめることが出来ましたw

※『若菜』

現実の世界ではまだ寒さ厳しいところに、能楽堂では既に春の演目が。これも観て笑うというよりは、いにしえの京の都は大原の、のどかな風景を思い描きながら舞台が醸し出す空気を楽しむ1曲かなと。

野遊びを楽しもうと大原にやってきた果報者に付き添う海阿弥はレジャーのコーディネーターという趣きw通りかかった大原女達を呼び寄せて、あれやこれやと酒宴を盛り上げていきます。万作海阿弥の実に楽しそうな表情が良い。対する萬斎果報者は時に杯を飲み干すものの、ほとんど葛桶にどっかりと座ったまま完全に観客の一人になってましたw今回の野村狂言座で一番労力が少なかったかもw良い意味で空気。おのず舞台上にずらりと並んだ大原女に目が行きます。

大原女一同、登場では摘んだ花束を頭の上にかざして歩く姿が何とも優雅。メンバーはリーダー竹山師を筆頭に中村・村井・内藤・岡の各師という見事に若手勢揃い。いまだ全員のお顔を見分けるのに不安があるのですが、今回は美男鬘でますますお顔の判別がつかない(*_*;百人一首を謡に乗せて歩いていたように記憶してますが…「君がため 春の野に出でて若菜つむ 我が衣手に雪は降りつつ」だっただろうか…間違ってたらすみませんm(__)m

果報者&海阿弥と合流し酒宴になってからは大原女一人一人に見せ場(聞かせどころ)があって、年の初めから万作家ニューフェイス大アピール大会でもありました♪お顔の判別が付かないのでパンフの番組表の通りの配置と前提しますが、まず村井師の美声に耳が溶けましたwちょっとオペラチックな声質とも聞こえますが、謡がどっしりと落ち着いていて若手っぽくない感じさえしましたね。謡の形は出来ていてもまだ声が生っぽい方もいらっしゃいましたが、皆さん見せ場をキッチリとこなしていて楽しんで観られました。また別の演目でもちょくちょく機会がありそうでこれからも期待。良い酒宴でございました(^o^)

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あけましておめでとうございます。

三が日も過ぎてしまって今更ですが(^_^;)あらためまして新年のご挨拶を申し上げます。

旧年中は沢山の閲覧者の方々にお越し頂き誠にありがとうございました。

今年も当ブログ&母屋『DIVINE COMEDY』をよろしくお願い致します。

本日より『にほんごであそぼ』萬斎師コーナーも新作登場!!

宮沢賢治「かなしみはちからに、欲りはいつくしみに、いかりは智慧にみちびかるべし」

「かなしみは…」のところは、やはり去年の惨事を思い起こさせるところもあったでしょうか。

スカイブルーの肩衣が目に鮮やかでした。

さて、シマシマ・バージョンも登場するかなw?

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