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第27回 新宿御苑 森の薪能。

2011101017360000 2011年10月10日(月・祝) 18:15~ 於:新宿御苑 イギリス風景式庭園

◆火入れ式

◆狂言『越後聟(えちごむこ)』

 聟:野村萬斎 舅:石田幸雄 太郎冠者:月崎晴夫 勾当:野村又三郎

 地謡:高野和憲・中村修一・村井一之・内藤連
 大鼓:柿原崇志 小鼓:観世新九郎 太鼓:助川治 笛:大野誠

 後見:深田博治

◆解説  真野響子・笠井賢一

◆能『石橋(しゃっきょう)』 大獅子

 (前シテ)童子/(後シテ)白獅子:観世清和  赤獅子:観世淳夫
 寂昭法師:宝生欣哉  仙人:高野和憲

 地謡:観世銕之丞・浅井文義・柴田稔・馬野正基
     ・谷本健吾・浅見慈一・長山桂三・北浪貴裕
 太鼓:柿原崇志 小鼓:観世新九郎 太鼓:助川治 笛:藤田次郎

 後見:武田宗和・上田公威・清水寛二

萬斎師の出る薪能にはいままで3~4回ほどチケを取ってきたのですが、都合で急に行けなくなったり、天候不順(震災もありましたね…)で会場が屋内に変更になったり、舞台そのものが中止になったりと、まぁこれでもかというほどちゃんと観られたためしが無く(;_;)今回も「まーた何かあるんじゃないかなぁ」と疑心暗鬼。チラシには「雨天中止」の4文字がこれ見よがしに…2~3日前から天気予報や地震速報とにらめっこ状態でした(^_^;)

そして当日。なんとこの日は一日中晴天。気温も平年より高く風も無く過ごしやすい。やっと運が向いてきたと胸を撫でおろしながら初の新宿御苑へ。大木戸門から入り誘導に従って庭園の中に歩を進める。周りからは虫の声、空には十三夜の月が煌々と。あまりにもお膳立てが出来過ぎていて今までの不運が全部雲散霧消していくようでございました(^v^)

会場に到着するとそのあまりの席の多さに唖然(lll゚Д゚) 最後方ブロックになるA席は、それこそオペラグラスでも無いと無理なんじゃないかと…ちなみに地元の薪能では正面後方の席は雛段になっていて結構見晴らしが良いのです。ココもそうすればいいのにと思いましたが、設営の規模や不意に来る地震のことを思うと、安全性の問題からもそう出来ないのかも知れませんねぇ。しかしその席が時間と共にどんどん埋まって行く…萬斎師の『越後聟』に観世宗家の『石橋』なら無理も無いか(^_^;)

2011101018090000_2 休憩時間に撮ったものです。まさに「萬斎師の『越後聟』を観る為」の席という感じwwwそして今回驚いたのが、お隣が偶然に母屋常連のMさんだったことΣ(゚д゚;) 実はMさんとは今までにも不思議なくらいにお隣になる機会が多くて(もちろんチケは別々に求めております)顔を合わせる度に驚いていたのですが、今回はなにせこの座席数の多さ…計算したらどういう確率で隣り合わせになるのか、数学得意な方にお聞きしたいくらい(^_^;) そしたら更に同じく常連のDさんが斜め後ろという…まぁ「何かに呼ばれた」んでしょうと解釈しておきましょうwww

※『越後聟』

滅多に上演されない曲ですが、こと萬斎師に関しては別w それもそのはず、原曲を萬斎師自身が手直ししたことによってアクロバット的要素がふんだんに挿入された、まさに"The MANSAI仕様"の曲として生まれ変わったものですから。不勉強なもので、実際問題この曲は他のお家、というか他の狂言師さんも演じる事があるのかどうか良く分からないので、もはや『越後聟』と"野村萬斎"は過不足なくイコールの意味になっちゃってますね少なくともワタクシの中では(^v^)「他のお家でもやってた!」という情報がありましたら本気で教えて欲しいくらいです。

時折、後半の赤頭の獅子舞だけを半能のように演じることもありますが、今回は通常のフルレングス。前半はタイトルの通り「聟入り」の様子をまったりとおめでたく見せるわけですが、ちょっとしたテンポの違いですかねぇ、かなり冗長に感じました(^_^;) 一度能楽堂でフルバージョン拝見してるんですが、その時はそんな風には感じなかったのに。勾当役の又三郎師がやはり違うお家のリズムなのでそれなりの異質感はありましたが、落ち着いていて威厳さえ感じるような盲人の姿が良かったです。舞も静謐さがあってGOOD!!

"平家節"の例の「斬り落とされた顎と踵を間違えてくっつけちゃった話」はやっぱりナンセンスで面白いんだけど、まぁこういう空気の中だとそういう笑える話には聞こえなくて(能楽堂では結構笑ってる人多かったような)、ちょっと勿体なかったようにも思えます。それと、冒頭で石田舅が名乗った瞬間に「え?何処から声が飛んで来るんだ?」と思わず周りをキョロキョロしてしまってすみません(*_*; 演者がピンマイク着けてアンプから声を流してたんですよね…まぁこれだけの観客数と屋外会場の広さを考えるに無理も無いことですが、増幅された声の違和感はどうしてもありますよねぇ…。

そして肝心の萬斎聟は今回も「"聟卒業宣言"(←なんかあったよねぇこういうの~皆さん覚えてますw?)なぞどこ吹く風w」のキュートさでしたo(*^▽^*)o 前半の酒盛りシーンとかの間延び感(失礼っ!)を一掃する「鶉舞」で、初めて舅と対面する若聟の初々しさを見せ、後半の赤頭をつけた獅子舞では多分会場の大半が待っていた(w)室町シルク・ド・ソレイユを展開!飛び返り、側転、三点倒立、欄干越え飛び込み前転に欄干登りの"The MANSAI仕様"フルコースを鮮やかに展開!一応確認しておきますが萬斎師御歳四十五、子供の幼稚園の運動会で張り切り過ぎて転びまくるパパ達より多分ずっと年上ですwwwさすが体脂肪率8%を誇る四十路(^o^)/その身軽さに、ちょっとトウは立ちましたが『テンペスト』のエアリアルを思い出しました(#^.^#)ええ、妖精さんですよ妖精さんだと思いましたが何か。そうそう、笛が息漏れ?をマイクに拾われていてちょっとがっかり。もう少し溌剌とした音色を聴きたかった(ーー;)

思うに、アクロバット要素に関しては万作家の仲本工事(←たとえが昭和w)こと月崎師や京都のお家の若い衆なんかもやれば出来るとは思いますが、そこに舞自体の美しさや謡の声の響きも含めて、総合的に観るとすればやはり萬斎師に軍配が上がるでしょうね。だから"The MANSAI仕様"。さて何歳までイケるやらw…バトンタッチの相手はやっぱりユウ君になるんでしょうかねぇ。なかなかバトンを渡しそうにないパパですがねwwwww

※解説

解説がある事をすっかり忘れていて、メモも何も持って行かなかったので思い出しようも無いのですが(;´Д`A 基本的に「能を初めて観る人向け」の解説だったようです。まぁその中身よりも何よりも、全体的に真野さんの超マイペースツッコミ(ボケ?)に振り回された感が無きにしもあらず(^_^;) ある意味、さすが女優さんというかw ファンとしては折角の"The MANSAI仕様"越後聟の話をもうちょっとやって頂きたかったのですが、笠井さんの「普通はお祝いの時にお座敷で演じるもの」みたいな説明を聴いて、その"お座敷"という語感がどうも京都の置屋さん的イメージを喚起してしまって困ったwもちろん「こういう屋外ではなく家の中(のお祝い事)で」程度の意味だったとは思いますけどね。

※『石橋』 大獅子

今年の初夏に地元で半能として拝見、数年前には乱能にて同じく半能形式で狂言の山本家が演じるのを観ていますがフルレングスでは今回が初見。なので前半がどういう展開なのか知らないまま臨んでしまいましてw前シテに"美少年"が登場してテンションアップ↑↑↑うーん、しかし…なにぶん未熟者でございますので、その前場の美少年と法師の動きの無いやり取りにやがて意識が飛びかけ…そりゃーもー観世宗家の童子ですからね。篝火の向こうに浮かび上がった姿はそれはそれは眼福モノなんですけれども、先の狂言『越後聟』と同じで、後に華々しいシーンが控えていると思うと「もちっと早く話が進まないかなぁ」みたいな不謹慎な事考え出してしまうのですね(^_^;)

アイは高野師の仙人。かなり前にアイで"○○の精"がにぎやかにぞろぞろ登場する『玉井』を観ましたが、人間以外のモノのアイはそれ以来かも。出番はそう長く無く、オーソドックスなアイ語りの形態でしたが、不可思議な空気を纏った高野仙人の佇まいがなかなか良い。たかのん、面をかけてからの変容が最近つとに明確な感じ。意識飛びかけてたのがシャキッとなって(←本当に失礼…)語りの意味はちょいあやふやでしたが高野仙人の異質感を楽しませていただきました。

中入り後、台と紅白の牡丹の作り物が運ばれていよいよあの華やかな獅子の連れ舞に!これはもう文句無し、目の前で飛翔する紅白の親子獅子に目が釘付け(^O^)/親の白獅子は落ち着いた雰囲気の、まさに歳を経た聖獣のイメージ。対する子供の赤獅子は元気ハツラツ!牡丹の花にじゃれる様が愛らしくさえ見える。パンフには、「大獅子」の小書では親獅子が試練の為に子獅子を千尋の谷に突き落とす様を表現した動きもあるとのことでしたが、まぁソコは読まずに観たもんですから(^_^;)子獅子の"やんちゃぶり"がとにかく可愛らしくて、絡む親獅子がまるで、はしゃぐ子獅子を「こらこら」となだめているようにも見えてしまった( ´艸`) どうも勘違いして観てたところもあるようですが、華やかな連れ舞でやや冷え込んで来たところに身体の温まる思いがしましたね。

そのやんちゃ坊主子獅子は地頭・観世銕之丞師の御子息。これは上演前に確認していたので、時折地謡座の方に目を向けてみたりしましたが…ちらっちらっと怖い顔をされてたような気がしますお父様( ̄○ ̄;) 18歳の赤獅子、私はとても楽しませてもらったのですがさて、お父上はどのように思われたか…。

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コメント

はじめまして。
こちらの記事、時折コソッと訪問しては面白く読ませて頂いています。

今日は狂言「越後聟」のことで、シャシャリ出てきてしまいました。
2006年5月25・26日に、国立能楽堂・特別企画公演で野村小三郎(現・又三郎)さんがシテをなさっています。
野村又三郎家の曲なので、ご本家ですね。
他のお役は、(舅)松田高義 (太郎冠者)25日野口隆行/26日奥津健太郎 (勾当)野村又三郎 (地謡)25日野村万作・野村萬斎・深田博治・月崎晴夫/26日野村万之介・石田幸雄・高野和憲・月崎晴夫 (笛)藤田六郎兵衛 (小鼓)鵜沢洋太郎 (大鼓)柿原崇志 (太鼓)観世元伯・・・敬称略、です。

また、翌6月の「狂言三の会」でも演じられてるようで、この時の勾当役は萬斎さんとのこと。

小三郎さんの獅子舞は、欄干越え前転はなかったと思いますが、側転・三点倒立・欄干乗りを身軽に勢いよくこなされていて驚いた記憶があります。

山本東次郎家の「獅子聟」も観てみたいですよね。

投稿: 弓弦 | 2011年10月15日 (土) 21:52

>弓弦さん

はじめまして!コメントありがとうございます。
情報もありがとうございました!
名古屋のお家がこの曲の「御本家」というのはパンフを読んで知っていたのですが、なにせそちらの公演をあまり観た事が無く(汗)。
やはり(当然ですが)御本家上演があったのですね。今は"The MANSAIバージョン"の方が上演頻度が高いんでしょうね。
小三郎さんの三点倒立!!それは観てみたいかも!
いつも拙い文を書き散らしていてお恥ずかしい限りですが、また気になったところがありましたらどんどんお話して下さいね。今後ともよろしくお願い致しますm(__)m

投稿: RICC | 2011年10月16日 (日) 22:25

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