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レーサー。

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やたら西国でばかり映像上映される『能ジャンクション~葵上~1987』、レオタードを描く人はいてもレーシングスーツ姿を描く人はあまりいないんじゃないかと思って(笑)。15年前だったらそらで描けたレーシングスーツ(泣笑)…すっかり描き方を忘れて資料引っ張り出し~。ふと懐かしい記事にぶち当たって読み耽り…思いのほか時間がかかってしまいました(苦笑)。露出が少ないとか言・わ・な・い・の・♪(←姫ちゃん)

スポンサーワッペンが資料からよく見えないので、AgipとかShellとか勝手に入れちゃうか思いましたがやめときました(笑)。しかしホント資金が無いよこのチーム…。

東国での映像上映祈願でもあります(マジ)。渡邊先生ほんと頼みます。

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第12回 金春流 座・SQUARE公演 ~運命(さだめ)~ 。

2009072121570002009年7月20日(月・祝)13:00~ 於:国立能楽堂

◆解説 山井綱雄

◆能『蝉丸(せみまる)』

 シテ(逆髪):井上貴覚  
 ツレ(蝉丸):辻井八郎
 ワキ(清貫):宝生欣哉
 ワキツレ(輿舁):大日方寛・野口能弘  
 アイ(博雅三位):深田博治
 
 大鼓:安福光雄 小鼓:鵜澤洋太郎 笛:槻宅聡

 地謡:本田芳樹・金春憲和・本田布由樹・中村昌弘・金春安明・金春穂高
     ・吉場広明・山井綱雄

 後見:本田光洋・横山紳一

◆狂言『雷(かみなり)』

 シテ(雷):野村萬斎  アド(藪医者);石田幸雄

 地謡:高野和憲・深田博治・岡聡史

 後見:月崎晴夫 

◆能『舟弁慶(ふなべんけい)』遊女ノ舞 替ノ出

 シテ(前/静御前・後/平知盛の霊):高橋忍
 子方(源義経):山本慧
 ワキ(武蔵坊弁慶):森常好
 ワキツレ(従者):舘田善博・森常太郎
 アイ(船頭):野村萬斎

 大鼓:亀井広忠 小鼓:大倉源次郎 太鼓:吉谷潔 笛:藤田次郎

 地謡:本田布由樹・中村昌弘・中村一路・後藤和也・辻井八郎・山井綱雄
     ・井上貴寛・本田芳樹

 後見:高橋汎・金春穂高

◆附祝言

※解説

能のおシテさんの解説にあまり縁がありません…今までは中森貫太師(とお父上の故・晶三師)がほとんどかな?なので今回、この山井師の解説を楽しみにしてました。黒紋付でにこやかに登場!挨拶のあと「今回のこの舞台のチケットですが…お陰さまで完売致しました!!」見所、やんややんやの大喝采。ところどころ「おおー!」と声も上がっていたような(笑)。満面の笑みの山井師「…あの…是非もう一回言いたいんですが(見所爆笑)…チケットが完売致しました!!」いやはや、まさかここまで喜ばれていらっしゃるとは…確か座・SQUAREのブログでも「あと●枚です宜しくお願い致します!」みたいなエントリが続いてましたね(笑)。「皆さんの期待をひしひしと感じます」と山井師。座・SQUARE12年間の実践を認めてもらえたのではないかと思う、その期待に応えるものを是非お見せしたいとのことでした。

ここから本日の番組解説。まず『蝉丸』。もともとは帝の息子なので、まるで"王子様"のように輿に乗って登場します。父帝の命を受けた侍臣の清貫に連れられて逢坂山に着き、そこで捨てられてしまうのですが「これは前世の報いで、来世での幸せを願ってそうするのだから父を恨まない」と言う蝉丸。髪をおろして僧となります。舞台には作り物の藁屋が置かれ、そこが蝉丸の住まいとなり、一人で暮らすこととなります。

一方、この蝉丸には逆髪という姉がいて、この姉さんの髪が逆立っています。「どんな風に逆立っているのかイメージが涌きにくいですが…現代ならストレート・パーマとかで直るんじゃないかと思うんですけど(見所大笑)」。この姉もその髪の所為で世間から奇異の目で見られ差別を受けています。もともとは帝の子として何不自由ない生活をしていたのにこの落ちぶれ様はどうか。「空の月が水面に映っている。あれほど高い所のものが、水面という低い所に映っている。まるで天地がひっくり返ったよう。その月を栄耀栄華から落ちぶれてしまった自分になぞらえ嘆いて、逆髪は狂い舞いをします」。

その後、実に偶然に…「この偶然がホント偶然で…実に都合よくと言うか(笑)」…盲目の弟と再会を果たすこととなる逆髪。姉弟の情を交わすシーンに。「せっかく再会出来たのに、結局この二人は別れて暮らすことになります。一緒に住めばいいのにそうはしない。これも悲しい運命と言えます。この結末は演じる側にとって毎回大きなテーマとなりますが、これをお客さんがご覧になってどう感じるか?観る方によってそれぞれ違う思いが湧いてくると思います。皆さんそれぞれの中の思いを正解としたいです」。

続いて狂言『雷』。「西国の藪医者が、こちらの方が儲かるんじゃないかと思って東国にやって来ます。その途中で雷様に遭遇。雷様が空から落っこちて来るんですね(笑)そして腰をしたたかに打ってしまいます。そこでこの藪医者が治療をすることになるんですが…藪医者で大丈夫なんでしょうかねぇ(笑)?」。治療によって雷様は元気になり、藪医者は治療代を請求しますが雷様には持ち合わせがない。なので治療代の代わりに、今後の天候の平穏(干ばつや洪水が起こらない)を約束して空に帰って行きます。「今回の狂言には野村萬斎さんをお呼びしてます。この『雷』は萬斎さんが出演されている『にほんごであそぼ』でもおなじみですね!"生萬斎さんの生『雷』(ナママンサイサンノナマカミナリ…早口言葉みたいだ…)"を是非お楽しみに(笑)」。

「『雷』では萬斎さん、面を掛けますので残念ながらお顔が見えません。でもその後の『舟弁慶』ではアイ(船頭)でお顔が出ますのでガッカリしないで下さいね(見所笑)」。

最後は『舟弁慶』。「前半に義経と静御前の別れのシーンがあります。義経は男の子、小学5年生が演じます(見所から「おお~」と声が上がる)。この曲では義経を子方が演じるのが決まりみたいなものですが、これは静御前との関わりをくどくならないようにしている為なんですね。大人が演じるといかにも男女の関係を見せてしまう。能は生々しいのを嫌うので」。

義経一行は兄・源頼朝との不仲が原因で逃れて行きますが、その中で弁慶が「女性(静御前のこと)を連れて逃げるのはいかがなものか」と進言します。足手まといでもあり、また"義経が女連れで逃げている"という風評も名折れである。弁慶は直接静御前にこのことを伝えますが、静は全く聞き入れず、自分が直接義経と話をすることに。義経が後に必ず再会すると約束して、ようやく静は受け入れます。

別れに先立って静は出陣の舞を舞いますが「ここでシテは金色の烏帽子をつけます。"遊女ノ舞"という小書ですが、悲しみをこらえて義経を励ます舞です。途中、一度舞を止めて橋掛かりに行き(山井師、橋掛かりまで移動)、ここで隠れるように涙を流します(山井師、シオルの型を披露)。(舞台に戻りながら)ここで泣いて気持を振り切って、また舞に戻って行きます。この小書では静の心理描写がしっかりと表現されています」。

いよいよ出航となりますが「舟はリアルなものでなく、演劇的に簡素な作りになっています」。舞台は大海原へ。「舟を進めて行くと急に天候が怪しくなり、船頭が必死に舟を操ります。海面には義経が滅ぼした平家の亡霊たちが出現し、その代表格の平知盛の亡霊が"替ノ出"という一味違った演出で登場します。ここから義経一行と知盛の亡霊の激しい戦いが展開しますのでぜひお楽しみいただければと思います」。

「この『舟弁慶』では前半の静御前、後半の平知盛を同じシテが演じますが、静は"世界で最も義経を愛して"おり、同時に知盛は"世界で最も義経を憎んで"います。このまるっきり逆のキャラクターを同じシテが演じるという難しさがありますね」。

…などと快調に解説を続ける山井師の背後から囃子の音色が。「あ!…これはもう…"早く止めろ"という合図ですね(見所大笑)。実はとっくに時間をオーバーしてまして(苦笑)…後で裏で『なにやってんだ!』と文句を言われそうです」。最後に「どれも大きな曲ですが、金春流能楽師のプライドを持って舞台をしっかりお見せしたい」と決意表明を残して、山井師の解説終了となりました。終始和やかで笑いの絶えない楽しい解説でした♪

※『蝉丸』

延喜帝の第四皇子・蝉丸は前世の因果によって盲目に生まれました。父帝の命によって捨てられることになった蝉丸は、命を受けた侍臣・清貫と共に逢坂山に向かいます。皇子を哀れに思った清貫は帝への恨み事を口にしますが、蝉丸はそれを諌めて「現世で過去の罪を洗い流し、来世の助けとなるようにとの父の慈悲である」と諭します。そして蝉丸は髪をおろして僧形となり、清貫は蝉丸に笠と杖を与えて涙ながらに去って行きます。その場にたまたま立ち寄った博雅三位は蝉丸の姿を見て驚き、憐れんで藁の苫屋を用意してあげます。その藁屋の中で琵琶を奏でながら毎日を過ごす蝉丸。一方、蝉丸の姉である逆髪も、髪が逆立ってしまう奇病に悩まされ、諸国を放浪して巡っています。偶然に逢坂山で盲目の弟と再会し、互いの哀れな境遇に共に涙する二人。やがて姉は再びあてどない旅に戻り、弟は涙ながらに見えない目で姉の背中を送ります。

初見。百人一首に疎いワタクシは蝉丸と言われてもソレがいの一番に思い浮かばず、まず真っ先に出て来るのは原作と岡野版コミック『陰陽師』での"琵琶玄象"のエピソード(苦笑)。この曲では源博雅(博雅三位)も出て来るのでなおさら(笑)。

その蝉丸の登場シーン、なるほど輿に乗せられて(ワキツレ2人が輿の屋根を蝉丸の上に掲げて)、直衣と烏帽子で高貴な雰囲気満点。しかし面は盲人、真っ白でやや弱々しい印象があります。盲目というだけで捨てられる、それが前世の因果と信じられていようとも、確かに清貫の怒り・悲しみと同じように理不尽な思いは払拭しにくいもの。それでも蝉丸は「これは前世の因果。ここで試練を受けることでその罪を清めて来世を明るきものにせよとの父帝の思い」と、たぶん自分より年かさであろう清貫を諌める姿に悲しい美しさがあります。盲いている所為かどうも黒澤映画『乱』の鶴丸と被って観ちゃうのがミーハーの悲しい性(すっかり『弱法師』忘れてるし・爆)。鶴丸は全然達観して無いですが(笑)。

清貫退場後、いよいよアイ・博雅三位登場。以前某ブログでやはり『蝉丸』をご覧になった方が、その時のアイが萬斎師だったので「晴明が博雅を演じていて不思議なカンジ」と書かれていたのを思い出しました(笑)。今回は深田師担当ですが…ん???烏帽子は良いとして水衣(かな?)…まぁこれも良いか…え???括袴ですかぁ???えっとえっと…"正三位"源博雅ですよね殿上人ですよね???うーん、まぁアイ・狂言方だからなぁコレが妥当なんでしょうか?ちょっと拍子抜け(苦笑)。深田師はここ最近ちょっと声の調子が悪そうとのお知らせを常連さん達から受けてましたので少々心配でしたが、このアイでは特に辛そうな感じはありませんでした。せっかくだからもっと高貴な装束の"深田博雅"を観たかった気もしますが(笑)。

今回の大ヒットはこの後に登場した蝉丸の姉・逆髪。「髪の毛が逆立つ奇病」とパンフの解説にありましたので、どのような造形で登場するのか興味津々でしたが…ここでは普通の女性の鬘で、両のこめかみあたりから大きく一束ずつほつれ毛(ほつれ束?)を出して乱れたように見せていました。文字通り髪が重力に逆らって立ち上がっているのではなく、極端な天然パーマみたいなイメージなんでしょうか(2005年大河ドラマ『義経』で夏木マリさんが演じた丹後局みたいな?)。後でガイドブック等調べてみたところ、流派によっては鬼や精霊が被る黒頭を着けている姿もありました。しかし、初めて観た瞬間は「なんだこんな程度か」と思いましたけれど、この井上喜寛師演じる逆髪、髪の毛の件はさておき佇まいが尋常でなく非常にハッとさせられました。肩に狂い笹を担いで狂女の態ですが、実に高貴で凛としたところがあり、狂気というより憤怒を心に押し込めたような、何とも近寄りがたくいて魅力的。小柄なんですが(それもあって自然に女性に見えます)存在感が強い。なるほど、『蝉丸』というタイトルですがシテは姉・逆髪であるということに至極納得のいく見え方です。

生来盲目の弟と奇病を患う姉。本来高貴の出である二人の落ち行く姿と運命的な再会、そして別れ。少々大げさかも知れませんがギリシャ悲劇的なスケールを感じる物語です。博雅が設えてくれた藁屋から蝉丸が身を乗り出し、それに応えて逆髪も手を伸ばす。その二人の手の触れ合う瞬間の言葉に出来ない濃密な時間。台詞を交わすよりもさめざめと泣くよりも、この手と手の触れ合う瞬間に、運命に翻弄される人間の小ささ、悲しさ、それでも生きていく強さを感じずにはいられない。達観なのか諦念なのか、蝉丸は運命を受け入れ来世への希望を生きる糧としますが、姉・逆髪はこの現世での天の采配の理不尽さを受け入れようとはしない。天の采配に抗う姿は一種の狂気と見えるかも知れないけれど、この井上逆髪の凛とした美しさに、生きることを問い続ける人間の強さをひしと感じました。蝉丸の生き方もまた一つであり、それは善悪で語られるものではないですが、パンフにもあったように、タイトルに関わらず逆髪をシテとしたところに、作者なりの人生観が見えているというのが良く分かります。初っ端の解説で山井師が語った「物語の答えはご覧になった皆さん一人一人の中に」という言葉が、実に心地よくずっしりと心に残るものとなりました。

※『雷』

都に住む藪医者が、稼ぎが悪くなったので東国で商売をしようと旅して来るその途中、広い野原に出ると急に空が黒い雲で暗くなり激しい稲光。雷が雲の切れ目を踏み外して地上に落ちて来ました。落ちる際したたかに腰を打ってしまった雷は、そばで震えている男が医者だと知って、自分の腰の治療を命じます。藪医者は雷の腰に針を打ちますが、打ち込むたびに情けなく痛がる雷様。それでも首尾よく快癒したので、藪医者はお代をいただこうとしますが雷にはお金の持ち合わせがない。代わりに向こう800年、日照りや水害から地上を守ると約束して、雷は空の上に帰って行きます。

どっしりと感じ入った『蝉丸』から一転(笑)。つい先日SePT『狂言劇場』で拝見した『雷』の本筋・能楽堂版。SePT版では舞台の奥行きを生かして"雷様が空から落ちて来る"様を効果的に演出していましたが、こちらは至ってシンプル、普通に揚幕からの登場となる雷様。さぞかしあっさりと見えるかと思いきや…「ぴかーり!がらがらがらがら!」の声が揚幕の奥から聞こえただけでぱっと情景が浮かびました(笑)。『蝉丸』のしっとり感はどこへやら(爆)、萬斎雷が跳び回り石田藪医者が逃げ回るだけでもう見所の空気はバッチリ狂言モード。凝った演出が無くても、演者の一挙手一投足で笑いの渦が。今更ながら"能→狂言→能"というプログラムって良く計算されてるなぁ、と(笑)。

夏休み突入直後ということもあってか、見所にはちびっこの姿も目立ちます。もしかしたらこの後の『舟弁慶』の子方のクラスメイトかも知れませんが(笑)。ご一緒した某常連さんが終演後に「近くにちっちゃい子が居たんだけど、雷様が何かやらかす度にケタケタ笑ってて楽しそうだったよー♪」と。さすがに『にほんごであそぼ』効果は侮れませんというところか。それで一番ウケていた「あいた!あいた!」と藪医者の針治療に悶えるシーン、SePTでは普通に正面向いて寝転がっていましたが、今回は脇正面の方を向いて(逆になる時は脇正面にお尻を向けて)寝転がってました。脇正面の皆様、雷様のベストアクション(笑)を充分堪能されたかと。正面から観ていても思いっきり笑えましたけどね。

ラストは気候の安定と五穀豊穣を祈念しての舞と謡い、めでたさを漂わせながらも、再び「ぴかーり!がらがらがらがら!」と藪医者を追いたてつつ退場していく雷様に笑いと万雷の拍手。その後休憩に入りましたが、周りに「あー面白かったー笑った笑った」とひとりごちる方々続出でした(笑)。

※『舟弁慶』

兄の源頼朝と不和になった弟・義経は、船で西国に落ちのびようと摂津国・大物浦(だいもつのうら)に到着します。義経の愛妾・静御前も同行を望みますが、女人連れは何かと困ると弁慶が助言し、義経に帰京を命じられた静は、別れの悲しみに舞を舞います。いよいよ義経一行が出航すると、突然風が変わって大きな波が押し寄せ、船頭は必死に舵を取ります。すると波の上に源氏に滅ぼされた平家一門の亡霊達が現れ、その中から平知盛の怨霊が薙刀を持って義経に襲い掛かりますが、弁慶が祈祷で応戦すると、知盛の怨霊は波の間に消えて行きます。

2度目の『舟弁慶』。もちろん今回もコレがお目当てです♪前回は万作師の船頭が"早変わり"をする小書が注目でしたが、今回の倅さんはオーソドックスに。弁慶役は森師。比較的大柄に見えるので弁慶のイメージには合っていますが、お顔がちょっと優しめか(笑)。子方・義経は小学5年生の山本慧くん。パンフに「幼稚園から習い始め、『一生能の稽古を続けて行く』と宣言してくれた」と紹介されていました。5年生で宣言…うーむ、厳しい世界でしょうが頑張って欲しいです。橋掛かりに登場した瞬間、見所から思わず拍手が飛び出してました。マナーの面はさておき(笑)確かに拍手が起こっても無理ないと思えるほど凛々しく見えましたね。意外に背丈や顔つきより大人っぽい空気を醸していたように感じました。その所為か、静との別れのシーンでは、山井師が解説で仰ったような"生々しさ"というほどではないにしても、普通に大人の男女のイメージが無理なく涌きました。個人的にはこういうのも良いんでないかい?と思いますけどね。声を出すと典型的なボーイソプラノで現実に戻されますが(笑)。

前回の静の舞はあまり覚えてなくて(爆)、今回意図的にしっかり観たんですが、やはり橋掛かりに一度引っ込んで別離の悲しみにこらえきれず泣くというシーンは胸に迫るものがあります。一瞬、現代劇のようなリアルな感覚を感じるんですね。舞の流れが切り取られた感もありますが、これは好きです。気を取り直した静が本舞台に戻り舞を再開すると橋掛かり上にはアイの萬斎師登場。さすがに見所の注目を惹きつけてます。出て来ただけなのに(苦笑)。舞い終えた静が遂に涙をこらえきれず本舞台の中央で泣き崩れている態のところにやって来て、優しく立たせて手を添えながら退場させて行くのですが、これはちょっと不思議な感じがしました。かたや義経の愛妾、かたや一介の船頭(笑)。身分にどれだけの差があるかどうかは何とも言えませんが「船頭クンすげぇ大役だぞ」と思ってしまった。信用されてるのかなぁ(笑)。静が引っ込むと船頭が舞台に戻って「あの悲しみぶりを見るとこちらも涙を禁じ得ません」みたいな報告を義経の前でしますが、少々くどい演出かな、というのが正直な気持ちです。一人とぼとぼと帰って行く静の方が自分は好みかも。

その船頭、いよいよ出航というところで「舟を持って来る」シーンが…いやこれ笑うなと言われても(笑)。弁慶から命を受けてぴゅーーーんと橋掛かりに飛んで行ったので「もしや万作師の時と同じ早変わりか?(←そういう小書が無いのを忘れてる)」と期待したら…例の枠組みだけの"簡易船舶"を電車ごっこのように抱えてまたまたぴゅーーーんと舞台に戻って来る。激しいお囃子がバックで鳴っていたので目立ちませんでしたが明らかに見所に笑い声が上がってましたねぇ。だって萬斎船頭の足運びが…マンガのそれそのまんまで(腰から下が高速回転してるアレですね・笑)。ホント見どころマンサイです(違)。いざ出航し船の上では「皆さんをバッチリ無事に送り届けますのでお任せあれ!」と自信満々のアピール。前回は弁慶と義経の船中語りの小書(かつての義経の武勲を語る)が中心だったんですが、今回は船頭が何かと目立つなぁ贔屓目かなぁ(苦笑)。

船中ではこれまた『にほんごであそぼ』がオーバーラップする"高速船漕ぎ"がパワー全開で!ちょっとおねむだったかも知れない見所のちびっこ達も目を見張ったのでは(笑)。例によって前髪がバッサバッサと踊りまくる。やがて揚幕が半分ほど上げられて、奥には"大将"平知盛の怨霊が姿を現します。これ、出来ればもっと舞台向って右寄りの、揚幕が見やすい席で観たかったなぁ。ちょっと声がお囃子に押されてたのが残念。というか、前回は朗々たるテナーでお馴染みの観世銕之丞師だったんで今回が少々パワー不足に感じても無理もない(苦笑)。いよいよ本舞台に駆け上がって来る知盛、装束の基本は白。怨霊の禍々しさというより、精霊のような神々しさに近いものを感じます。ちょっと善玉風味の知盛か(笑)。全体の印象は非常に美しいです。これはこれで実に絵になるなぁ、と。

怨霊を調伏しようと数珠を構える弁慶との戦い。金春流の流儀なんでしょうか、前回の観世流のそれと比べるといささか大人しめの印象です。観世流では知盛と弁慶がもっと睨み合って、両者の間にバチバチと火花が散るような激しさがあったような。歌舞伎的ケレン味も感じた観世流と比べて、こちらではもっと能の型に忠実な感じがします。個人的にはもうちょっとハジけて欲しいところですが。ここでもすっと刀を抜いて構えた子方クンが凛々しかった!ホント、不思議なくらい動きの端々に大人っぽさが漂う義経なんですね。まだ5年生、これから楽しみです。

アイは除いて(笑)全体的に大人しめの印象の『舟弁慶』でしたが、盛り沢山のポイントを抱えたこの曲はやはり面白いです。前回の"予習"が効いていて(笑)結構隅々までじっくり観て楽しめました。演者が退場すると見所から盛大な拍手が。その拍手に附祝言がちょっと被ってしまって残念でしたが、いままであまり附祝言を気にしていなかったのが今回、"怨霊モノ"の後の厄祓い的意味合いをすんなりと受け入れられました。

今回の能の会、本当に観て良かったとつくづく思いました。選曲も豪華でしたが、何より金春流の若手の皆さんの気合いの入った姿がホントに気持ち良くて、掛け値なく「能は面白い!」と感じられました。偉そうな言い方になって申し訳ないのですが、こういう元気な人達が頑張っている限り、この世界は大丈夫だなと思えました。4時間強の上演時間が全く長く感じられず、終演後は国立能楽堂を去りがたかったです。充実した時間を提供してくれた座・SQUAREの皆さんに心より御礼申し上げます。

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さて肝心の"リーダー"山井師ですが、今回は残念ながら解説と地謡だけ。シテのお姿も拝見したかったのでこれが最大の心残り。代わりにと言っては何ですが、ユニークな人脈をお持ちの山井師の実にカッコイイ映像がYouTubeに上がっていましたのでご紹介。もろワタクシの趣味とオンナジなので嬉しいと言うのもございます(笑)。

http://www.youtube.com/watch?v=XZEksuzOWhY&eurl=http%3A%2F%2Fmixi%2Ejp%2Fview%5Fdiary%2Epl%3Fid%3D1231441974%26owner%5Fid%3D12164258&feature=player_embedded

ワタクシの中で「能」と「Heavy Metal」はほぼ同義語で(爆)。なので山井師のアプローチは全面的に大賛成です♪

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新宿文化センター開館30周年記念 野村万作・萬斎狂言の会。

200907151820000 (←またもや近所の花園神社写真ですみませんcoldsweats01

2009年7月15日(水)19:00~ 於:新宿文化センター大ホール

◆レクチャー・トーク 野村萬斎

◆『二人袴(ふたりばかま)』

 親:野村万作  太郎冠者:月崎晴夫  聟:高野和憲

 後見:岡聡史

◆素囃子『神舞(かみまい)』

 大鼓:内田輝行 小鼓:鳥山直也 太鼓:大川典良 笛:栗林祐輔

◆『髭櫓(ひげやぐら)』カケリ入

 夫:野村萬斎  妻:石田幸雄  注進:野村万之介
 立衆:深田博治・月崎晴夫・竹山悠樹・中村修一・岡聡史

 地謡:野村万作・高野和憲・破石晋照・加藤聡

 大鼓:内田輝行 小鼓:鳥山直也 太鼓:大川典良 笛:栗林祐輔

 後見:野村良乍・時田光洋

※レクチャー・トーク

(まず言い訳…メモが上手くとれませんでした・泣。肝心なところが華々しく抜けてる可能性大。かなりブツ切れになりますがご容赦を。本日も黒紋付&袴。色の紋付(出来ればシースルー・爆)見たいなぁ。おぐしは本日も盛大にブロッコリーでした(笑)。襟足だけちょっと揃えてるかなぁ。いったい何を企んでいるのだろう(←しつこいから)…。6列目ど真ん中。絶景♪)

新宿文化センター30周年記念ということで張り切った番組にしました(笑)。面白くて豪華な番組です。まず『二人袴』。この会場ではもう3回目の上演になります。"聟入り"というのは今で言うところの婿養子になるのではなくて、妻の嫁入りの返礼として聟が舅の家に初めて挨拶をしに行くということ。

聟さんは最初赤と白の縞々…キャンディーのような模様の着流しで登場。聟さんが初めての聟入り体験で慣れないので、そこに親が出て来ます。過保護も良い所ですが…聟入りに慣れている、というのも何だか可笑しな話で(笑)。もし女性から「私、お嫁入りに慣れてますから」と言われたらどういう風に反応して良いか困りますよね(笑)。聟や舅が正装の一つである侍烏帽子を被っているのは分かりますが、なぜかこの父親も最初から同じ烏帽子を被っているのが不思議と言えば不思議なんですが(笑)。

上演中は舞台と橋掛かりを利用して空間を作ります。ここからここまで歩いたら(と実践)…舅の家に来た、というお約束になります。そう想像して観て下さい。最初は聟が舅と対面しますが、隠れて一緒に来た父親も一緒に対面するように言われてしまいます。しかし袴が一つしか無いのでさてどうするのか?そこを楽しみにご覧になっていただければよいかと。

舅との対面では"かための杯"が交わされますが、そこで聟がとんちんかんな受け答えをしてしまいます。そばにいる父親が絶妙なフォローで息子を助けますが、それを受けた舅も舅で、呆れながらも初々しい聟さんを温かい目で見ています。このあたりが狂言らしい人間模様ですね。宴が進むと舞いや謡いが出て来ます。この時、この聟さんは実に"舞いづらい状況"に陥っています(笑)。それをどう克服するのかがポイントですのでお楽しみに。

会話の中には現代では分かりづらい言葉も出て来ます。たとえば「指神(さすがみ)」。これは陰陽道に出て来る神様で、その神様が居る方向は良くないということで方違え(かたたがえ)…目的地に行く道のりを迂回して厄を逃れる、というようなことが信じられていました。

この『二人袴』にはさまざまな狂言の謡が出て来ますが、これらの歌詞にあまり意味はありません。意味よりも、聞こえて来る語感やリズムが面白いんですね。また舞では、足の運びにも注目して欲しいと思います。(と説明しながら、能の舞の足の運び、扇の扱いなどを披露)

続いて『髭櫓』。大変大がかりな曲です。私のひい爺さん(注:初世野村萬斎)が天覧舞台で演じたことがある曲でもあります。

夫婦のお話ですが、登場する夫は長い直垂を身につけて、顔じゅうに大きな髭を生やしています。しかし彼の奥さんがこの髭を大層嫌っていて、その件で大ゲンカに発展します。その時夫が妻をこっぴどく叩いてしまうのですが…あれ?…そういうのを何て言いましたか(←出たぞ健忘症・笑)…うーんと…(完全にトークが止まる・苦笑。見かねたお客さんが"プロンプ"を・笑)…あ、そうそうドメスティック・ヴァイオレンスだ!!ま、そういう事態になって奥さんが家出をしてしまいます。

さすがに男と女ですから、一対一では体力で分がありません。ということで、家を出た奥さんは近所の女房連中を集めて反撃に出ます。この奥様方のいでたちと、夫と戦う様子が戦(いくさ)絵巻のパロディーになってるんですね。この戦いの中でも謡いがありますが、この中身は戦いの状況をえらく生真面目に描写して謡い上げるんです。もともと滑稽な戦い方をするので、それを生真面目に謡えば謡うほど、馬鹿馬鹿しくて面白いです。

この『髭櫓』では狂言としては珍しく、具体的な小道具がいろいろ出て来ます。本来大きなものを(注:櫓)を小さく、小さなもの(注:毛抜き)を大きく見せる、狂言らしい滑稽なデフォルメが面白いところです。私も『彦市ばなし』で鯨を登場させたのですが…まさか鯨をリアルなサイズで出すわけにはいかず(笑)…このくらい(と手で表現)の大きさで出しましたら大変ウケまして(笑)。

"カケリ"とはチャンバラのことで、夫と、奥さんが連れて来た女房軍団が一対一で戦う場面があります。チャンバラと言ってもかなり情けないもので(笑)…いろいろな戦いがありますのでぜひお楽しみに♪

※『二人袴』

今日は日柄が良いので、聟が舅の家に聟入りに行くことになりましたが、一人では心細いと思い、自分の父親について来てもらうことにします。聟は舅の家の前で父親に袴を着けてもらい舅と対面しますが、舅は家の外に父親が来ていると太郎冠者から聞いて、父親も招き入れるように命じます。袴が一着しか無いので困った聟は、家の外で父親に袴を渡し、今度は父親だけで舅と対面します。袴を交互に履き替えて交替で舅と対面する父子ですが、一緒に来てくれと言われ袴を奪い合ううちに袴は真っ二つ。仕方がないので二つに切れた袴をそれぞれが前垂れのように着けて舅と対面します。杯を交わし、めでたい舞もなんとか気付かれずに済ませましたが、今度は舅が三人で連れ舞をしたいと言い出して、遂に袴の後ろが無いことが露見、父子は面目を失って退散します。

めでたいお笑いの定番。高野師の聟はやはりいつ観ても初々しい印象があります。これは彼のキャラがかなり功を奏してますね(笑)。履き慣れない袴をぎこちなくさばく仕草、特に方向転換する際に「せぇのっ!」と両腕を振り回してそ、の勢いで胴体の向きを変えるアクションの度に会場から笑いが巻き起こってました。この日の万作父さん(笑)は本当に優しそうなダディだったなぁ。親ばかなのはホント情けないんですが、ちょっと足らない息子を見守るまなざしがとても優しい。高野聟も足らないなりに(笑)父親の期待に添えるようにと一所懸命な様子が感じられましたね。

ただ、いよいよ父子揃っての舅との対面の場面、舞を舞ってくれと舅にせがまれ、更に「ちゃんと回ってくれ」と要求されて(回ったらお尻側が見えてしまいますね・笑)仕方なく、あれこれ誤魔化しながら舞うところの足さばき…舅がそっぽを向いている間にちょこちょこちょこと細かく足を運んでくるっとターンするところのアクションは、最近滅多に観られませんが萬斎師のそれと比べると随分オーソドックスに見えました(ピンポイントですみません・苦笑)。萬斎師のはもう、ピンと背筋が伸びたまま、足の甲だけが高速回転する(笑)。見た感じ、膝からくるぶしまでもほとんど動いてない感じなので…それこそチャップリンとかの無声映画のコミカルシーンみたいな、ソフィスティケイトされた動きの"カッコイイ面白さ"があるんですよね。こんなピンポイントで比較するのも野暮なようですが、たとえ高野師でなくても、誰が演じてもあの萬斎師のあの足さばきがどうも脳裏に浮かんでしまうので…。

舞台自体は大変面白かったのですが一つ注文。そろそろあの"背景スクリーン"は変えても良いのでは(苦笑)?この手のホール公演、しかも舞台装置担当がかの事務所ならほぼ毎回これなんでしょうか。少なくとも自分が観た範囲ではそうなんですよね。演目の内容に関わらずこの同じ背景が使われてしまっていますので、むしろ何も無い状態の方が気にならなくて済むのですが。

※素囃子『神舞』

のっけからスピーディーな展開ですが…自分の耳の所為か?小鼓の音があまり通って聞こえなかったような…隣の大鼓がかなり甲高い音だった所為だろうか?スピーディーではあるのですがグイグイ乗せられるような高揚感が湧かなかったのが残念。ホールとお囃子はあまり相性が良くないことが多いように感じますが…音色の問題か個々のプレイ(プレイ言うな)自体の問題か、空回りしている感が否めませんでした。

※『髭櫓』

宮中の大嘗会(だいじょうえ)で大役を仰せつかることとなった男が、名誉なことを任されたと妻を呼び出して、会の為の衣装その他を新しく用意するよう命じますが、妻は日々の生活にも困っているのにそのような余裕はないと拒否、普段男が自慢している大髭も剃ってしまえと言い出します。怒った男は妻を散々に打ち据えて家から追い出してしまいます。やがて注進が現れて、追い出された奥方が近所の女たちを集めて主人の髭を抜きにやって来ると男に報告するので、男は首から櫓をかけて髭を守り、太刀を持って妻たちの襲来に備えます。そこに大きな毛抜きを持った妻を先頭に、長刀や熊手を携えた女房軍は押しかけて来て、男対女房軍の戦が始まります。一旦は女房どもを追い払った男ですが、逆襲を受けて遂に髭を毛抜きで抜かれてしまいます。

もしかしたら数年前の『狂言劇場』以来の鑑賞かも知れませんこの演目。SePTでの上演では、うるさくならない程度のライティング効果(床に投影)を加えたりして、華々しい印象の舞台だったように記憶しています。今回は先ほどの『二人袴』で使われていた背景スクリーンが取り払われ、舞台天井近くに注連縄が掛けられ、背景には緩い山型を描くカーテン状の布が右端から左端まで張られています。時間経過を示す背景ライティングもあったと思います。一番大きな特徴は、舞台下手、客席の左端に一本花道を備え付けてあること。『二人袴』での入退場はホール仕様能舞台の端掛かりからでしたが、この花道は後半の女房軍団の登場に使われました。ここに勇ましいいでたちの女どもがズラリと(笑)。

『二人袴』のところでも述べたように、やはりこの『髭櫓』でも萬斎師のアクションというのは独特であって、もしかしたらそれをたとえば「あざとい」と思う方々も少なくないのかも知れませんが(苦笑)、明らかに観る者の目をグイと惹きつける力が凄いので、その一挙手一投足で舞台がぱっと華やぐというのは、今更ながら否定出来ないことだと思います。前半でそれを堪能出来たので、更にカケリの小書も入った華やかな後半の展開にかなり期待はしていました。しかしどうもおかしい。

女房軍との一騎打ち連戦は、もちろん型の中での動きですから普通のチャンバラのようなスピード感はありません(笑)。しかしSePTの時はもっとメリハリがあって、コミカルな部分もすっと際立ち、あのゆっくりな動きの中でもちゃんとそれなりにハラハラしながら(笑)観られたのですが…今回は何ともいえず間延びした空気が終曲まで払拭出来ませんでした。他の方々の感想の中に、囃子方と呼吸が合ってないように見えた、というようなものが散見されていますが、ちょっと自分では分からない(覚えていない)…ただ確かに、どの場面にもとっかかりが無くて、ただすらすらと淡々と対戦が続いていたように感じました。囃子方の音の印象もあまり残っていない…というあたりも問題なのかも知れません。お話としては面白かったし笑えたのですが、せっかくのカケリの印象が散漫なのは残念でした。

今まで自分はホールだろうが能楽堂だろうが、あまり差異を感じずに公演を拝見してきました。ただ最近はちょっと、ホール公演と相性が悪いことがちょこちょこあり(泣笑)、今回も『二人袴』と『髭櫓』という、もう豪華としか言えない願ったりのプログラムだったのに、なんとなく完全にスカッとしきれずに会場を後にしてしまいました。ご一緒した当サイトの常連さんも「なんかちょっとすっきりしない」というようなご感想でした。同じホールでも、やはりSePTとはかなり違う。普及公演の空気だと割り切るのが良いのかも知れません。

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ただいま俄かにハマってます。

当ブログのサイドバーのてっぺんに"新顔"がお目見えwink

期間限定になると思いますが、今俄かにハマっている映画『MW』のものですmovie

かなり手こずりましたが原作も手に入れ、それを読んだ上での鑑賞でしたが…。

"某所"で言われているのと全く逆で、実にワクワクと楽しく拝見させていただきましたheart04

「漫画原作が実写化されると云々」というジンクスが当てはまらないこともままあるもんですねぇbleah

大胆なアレンジ(物語の根本はしっかりと守られています)が、この平成の世に33年前の原作を鮮やかに蘇らせています。

それにしても主役の玉木さん、もともと細身のところに持って来て、役作りの為にさらに7kg減って…顔の皮膚の上に頭蓋骨の形が浮き出て見えるかのようでしたshock

『のだめ』の千秋の面影はございませんbleah

さて…もう一度は見られそうだな~。

ちなみに挿入曲はこちら。CMでもずいぶん流れてるのでご存知の方も多いかと。最初は「物語の中身に対して曲調かチャラ過ぎないか?」と思ってたんですが…いざ映画のエンディングに被ってこの曲が流れてきたら鳥肌がザザザーっと…。サビは大好物ですdeliciousこのPVで映画のシーンが細切れながらもふんだんに見られるのがお得good

http://www.youtube.com/watch?v=CzwJ-B3JpxI&eurl=http%3A%2F%2Fmixi%2Ejp%2Fview%5Fdiary%2Epl%3Fid%3D1222441617%26owner%5Fid%3D12164258&feature=player_embedded

PG-12のレイティングなので、将来少なくともゴールデンタイムでの地上波放送は無いだろうなぁ…まぁ確かに一部、血がダメな人にはキツいシーンがございますけどね。

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激闘の鎧。

200907062131000 ちょくちょくお邪魔している某ブログさんにて情報をGET、「もう行ける日が無い!」と急遽、本日終業後に渋谷はBunkamuraまで足を伸ばしました。お目当ては…

Bunkamura20周年記念企画 Bunkamuraの軌跡展 Vol.2「邁進-Ⅰ」 7/2~7/8

Bunkamura内のギャラリーにて、今年20周年を迎える文化村の軌跡を振り返る企画の第2弾…今回『オイディプス王』アテネ公演時の衣装が展示されていると知って矢も盾も止まらず(爆)。

「多分大きなショーケースに入っちゃってるんだろうなぁ」と思っていたら、なんとむき出しのまま(笑)ボディだけのマネキンさんに着せられて燦然と輝くように立っておられました(感涙)。まず目に入った瞬間金縛り(爆)。更に近付いたら思わず手が出てしまいそうになる…周囲には特に「手を触れないで下さい」みたいな注意書きは見当たりませんでしたが常識で考えてガマンガマン。しっかりと腕を組んで自分を戒めて(おいおい)目を皿のようにして観察開始。

若旦那が着用していた王のローブ、サテン風の白の生地ですが胸元と腕、ほぼ上半身全体がくすんだクリーム色に変色しています。もちろん若旦那の汗の跡。過酷な環境だったヘロディス・アティコスでの当時の奮闘ぶりが窺えます。なで肩の若旦那なので、たぶん肩パットの類を着けてたんじゃないかと思うんですが、それも通してしまうほどの汗だったのかと想像。背面のマントにはあの墨絵のような模様。荒く織ったマント生地の上から直接、一気に筆で描いたのが良く分かります。マントの裾にほんの少し赤い汚れ発見!かすれた感じですがもしかして血糊?ラストの血まみれシーンではマントを外しているのでさてどこで付いたのやら…舞台の床に少し残ってたとか?

お隣はイオカステ麻実さんのドレス。生地は王のそれより光沢感が無く、さらっとした綿のように柔らかな感じ。胸元の赤いポイントのラインが鮮やかです。汗染みらしきものは見えませんでしたが、ちょうど膝から裾にかけてが擦れたように変色していて、そう言えばひざまづくシーンが多かったなと思いました。マントは袖と一体型のように見えて、袖部分はマントと同じような荒い織りの…例えは悪いですが網戸みたいな(笑)生地で通気性バツグン。マントの背中には王と同じように直に一気に書いた薄墨の文様があります。

どちらの衣装にも細かいほつれや小さな穴があって、まさにあの暑い熱いギリシャの夏を戦い抜いてきた"戦闘服"の勲章のように見えました。更にこの"二人"の横にはつき従うように3体のコロスの真っ赤な衣装が"ひざまづいて"います。前身ごろのお下げのような組紐模様にフォークロア的テイスト。良く見るとかなり凝った作りになっています。さすがに"徹底的に酷使された"コロスの衣装、ほころび方は王や王妃の比では無い(苦笑)。

衣装だけでなく、シアターコクーンでの2004年再演時のポスター、アテネ公演のパンフ&チケット(もちろんギリシャ文字)、公演を記念して描かれたヘロディス・アティコスの風景画なども展示。他の舞台のポスター等も沢山飾られていましたが、『オイディプス王』in アテネのスペースが一番大きかったです(笑)。また、DVD特典の映像も流されていて、いきなりどなり声が聞こえたなぁと思ったら、ちょうど蜷川さんがリハーサル中のコロスに檄を飛ばしてるところでした(大笑)。

あまり長い時間は居られず、後ろ髪を引かれるようにギャラリーを後にしましたが、未練たらたらで(泣笑)ギャラリーの外からももう一度覗きこむ。ギャラリーはガラス張りなので、ちょうど王と王妃の衣装の後ろ正面をガラス越しに拝むことが出来ました(喜)。王と王妃が寄り添うように、マントをたなびかせて舞台後方のドアに向かっていくあのシーンを思い出さずにはいられない…。

残念ながらこの展示もあと2日。お時間のある方は是非ご覧になっていただきたいと思います。勇気のある方は匂いを嗅いで来て下さい(こら)。平日の午後4時過ぎだったので人影はまばらでしたが、私の後に入って来た二人連れの片割れさんがオイディプス・スペースに入るなり「おー!野村萬斎だ!」と声を上げたのが何となく嬉しかったです(笑)。

詳細はこちらです。

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